ブレーデンスケールとは〜褥瘡の発見を早める為のリスクアセスメントツールです〜

 

2018年度には診療報酬と介護報酬の同時改定が行われることもあり、訪問看護の重要性はますます高まってくると考えられます。

ビーナースではこれまで訪問看護においても重要な褥瘡についての記事をたくさん執筆させていただきました。

体位変換で介助者が褥瘡(じょくそう)を予防するための3つのポイントとは?

褥瘡を予防するための看護計画 〜リスク把握はできていますか?〜

今回は褥瘡のリスクアセスメントツールとしてよく使われているブレーデンスケールについてご紹介させていただきます

 

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ブレーデンスケールとは

画像出典:anneelizabethdenny.com

 

褥瘡とは

 

日本褥瘡学会では褥瘡は以下のように定義されています。

 

褥瘡とは、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。

 

一般的には「床ずれ」と言われています。

 

軽度だと以下のような症状が見られます。

 

画像出典:4.bp.blogspot.com

 

褥瘡の原因とは

 

褥瘡の発生は、運動機能の障害や低下などによって適度に姿勢を変化させることができず、特定の部位を継続して圧迫することによって起こります。

同じ部位が長時間押さえつけられるとその部位の血流が滞ってしまい、十分な栄養や酸素の不足によって皮膚表面だけではなく皮下細胞まで壊死してしまうのです。

加齢によるものだけではなく、脳血管障害や外傷などの後遺症で麻痺があるなど、様々な年齢や状態でも起こりうるものです。

 

褥瘡予防の為の体位変換のポイントについて知りたい方は〈こちら

褥瘡予防を予防するための看護計画の立て方のポイントは〈こちら

 

ブレーデンスケールとは

 

ブレーデンスケールとは褥瘡の発生の客観的に評価するリスクアセスメント・スケールの一つです

  • ・知覚の認知
  • ・湿潤
  • ・活動性
  • ・可動性
  • ・栄養状態
  • ・摩擦とずれ

上記の6つの項目で構成されています。

それぞれの項目を1点から4点で評価し、合計点を計算します。

*「摩擦とずれ」のみ1~3点で評価

合計点が低ければ低いほどリスクが高くなります。

 

参考記事:almediaweb.jp

 

ブレーデンスケールの採点方法とは

 

上記に書いた6つの項目ごとの採点の基準をご紹介します。

 

知覚の認知

 

圧迫に対しての適切に反応する能力を評価します。

 

●1点:知覚なし

意識レベルの低下や鎮静によって痛みに対する反応がないことを指します。

あるいは、体のおおよそ全体にわたり痛覚の障害がある。

 

●2点:重度の障害あり

痛みにのみ反応します。

不快感を伝えるときには、うめくことや身の置き場なく動くことしかできない。

あるいは、知覚障害があり、体の1/2以上にわたり痛みや不快感の感じ方が完全ではない。

 

●3点:軽度の障害あり

呼びかけに反応する。

しかし、不快感や体位変換の希望を伝えることができるとは限らない。

あるいは、いくぶん知覚障害があり、四肢の1、2本において痛みや不快感の感じ方が完全ではない部位がある。

 

●4点:障害なし

呼びかけに反応する。知覚欠損はなく、痛みや不快感を訴えることができる。

 

湿潤

 

皮膚が湿潤にさらされる程度を評価します。

 

●1点:常に湿っている

皮膚は汗や尿などのために、ほとんどいつも湿っている。

患者を移動したり、体位変換するごとに湿気が認められる。

 

●2点:たいてい湿っている

皮膚はいつもではないが、しばしば湿っている。

各勤務時間中に少なくとも1回は寝衣寝具を交換しなければならない。

 

●3点:時々湿っている

皮膚は時々湿っている。定期的な交換以外に、1日1回程度、寝衣寝具を追加して交換する必要がある。

 

●4点:めったに湿っていない

皮膚は通常乾燥している。定期的に寝衣寝具を交換すればよい。

 

活動性

 

行動の範囲を評価します。

 

●1点:臥床

寝たきりの状態である。

 

●2点:座位可能

ほとんど、または全く歩けない。

自力で体重を支えられなかったり、椅子や車椅子に座るときは、介助が必要であったりする。

 

●3点:時々歩行可能

介助の有無にかかわらず、日中時々歩くが、非常に短い距離に限られる。

各勤務時間中にほとんどの時間を床上で過ごす。

 

●4点:歩行可能

起きている間は少なくとも1日2回は部屋の外を歩く。そして少なくとも2時間に1回は室内を歩く。

 

可動性

 

体位を変えたり整えたりできる能力を評価します。

 

●1点:全く体動なし

介助なしでは、体幹または四肢を少しも動かさない。

 

●2点:非常に限られる

時々体幹または四肢を少し動かす。

しかし、しばしば自力で動かしたり、または有効な(圧迫を除去するような)体動はしない。

 

●3点:やや限られる

少しの動きではあるが、しばしば自力で体幹または四肢を動かす。

 

●4点:自由に体動する

介助なしで頻回にかつ適切な(体位を変えるような)体動をする。

 

栄養状態

 

普段の食事摂取状況を評価します。

 

●1点:不良

決して全量摂取しない。めったに出された食事の1/3以上を食べない。

蛋白質・乳製品は1日2皿(カップ)分以下の摂取である。水分摂取が不足している。

消化態栄養剤(半消化態、経腸栄養剤)の補充はない。あるいは、絶食であったり、透明な流動食(お茶、ジュース等)なら摂取したりする。

または、末梢点滴を5日間以上続けている。

 

●2点:やや不良

めったに全量摂取しない。普段は出された食事の約1/2しか食べない。

蛋白質・乳製品は1日3皿(カップ)分の摂取である。時々消化態栄養剤(半消化態、経腸栄養剤)を摂取することもある。

あるいは、流動食や経管栄養を受けているが、その量は1日必要摂取量以下である。

 

●3点:良好

たいていは1日3回以上食事をし、1食につき半分以上は食べる。

蛋白質・乳製品を1日4皿(カップ)分摂取する。時々食事を拒否することもあるが、勧めれば通常補食する。

あるいは、栄養的におおよそ整った経管栄養や高カロリー輸液を受けている。

 

●4点:非常に良好

毎食おおよそ食べる。通常は蛋白質・乳製品を1日4皿(カップ)分以上摂取する。

時々間食(おやつ)を食べる。補食する必要はない。

 

摩擦とずれ

 

●1点:問題あり

移動のためには、中等度から最大限の介助を要する。シーツでこすれず体を動かすことは不可能である。

しばしば床上や椅子の上でずり落ち、全面介助で何度も元の位置に戻すことが必要となる。

痙攣、拘縮、振戦は持続的に摩擦を引き起こす。

 

●2点:潜在的に問題あり

弱々しく動く。または最小限の介助が必要である。

移動時皮膚は、ある程度シーツや椅子、抑制帯、補助具等にこすれている可能性がある。

たいがいの時間は、椅子や床上で比較的よい体位を保つことができる。

 

●3点:問題なし

自力で椅子や床上を動き、移動中十分に体を支える筋力を備えている。

いつでも、椅子や床上でよい体位を保つことができる。

 

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画像出典:edeltutiyama.com

参考記事:edeltutiyama.com

 

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