『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎』 第6回:ホスピスの癌ケア2

 

前回、緩和ケアでは医療行為も行うこと、そしてホスピスが単に死を迎える場所ではないことをご説明しました。

そこで今回は、ホスピスから在宅ホスピスケアへの切り替えにフォーカスしたいと思います。

今後、在宅への切り替えは必然です。この機会に、ぜひ基礎知識に触れておきましょう!

 

画像出典:stericyclecommunications.com

 

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『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎』シリーズの目次

 

第1回 日本人にとっての癌

第2回 癌の原因と特徴

第3回 癌の三大治療法

第4回 ホスピスケアにおける癌

第5回 ホスピスの癌ケア1

第6回 ホスピスの癌ケア2

 

入院から在宅ケアへの切り替え

 

ホスピス(緩和ケア病棟)では、痛みのコントロールなどにより症状が緩和されて、元気を回復することがあります。

この場合、前述のとおり症状が緩和されて退院する人もあれば、退院はむりでも、ホスピスではなく一般病棟に移るというケースもあります。

もともと、ホスピスのベッド数は限られています

また、緩和ケア病棟の認可を受けている場合は、入院の条件に余命が推定6力月以内と短いことという一項があり、回復の認められる患者さんに長くホスピスにいてもらうわけにはいかないのです。

なお、退院または一般病陳へ移ったあと、病状が再び悪化したらホスピスヘ帰れるようになっていることは、いうまでもありません。

 

あるホスピスの例

 

入院患者の約25%が症状コントロールができて在宅ケアにきりかえられているという例があります。

症状が改善されれば、外泊も退院も可能で、退院後ホスピス外来に通院したり、在宅電話サービスを利用して、気軽に相談ができるようになっているところもあります。

 

在宅ケアのカタチ

 

在宅ケアは、すべてのホスピス(緩和ケア病棟)が行っているわけではありませんが、システムができているところであれば、もちろん在宅のみのケアも可能です。

また、実施しているところも、その対象は、ホスピスから症状が緩和して退院した人などに限定しているところが大半です。

一方、ホスピスという施設をもたないで、在宅ホスピスケアや訪問看護を専門に行っているところがいくつかあります

ここは会員制になっており、かつ、距離的にそう遠くない一定の地域に住んでいる人でないとケアを受けられないという制約があります。

一般的傾向として、可能であれば在宅で最期を迎えたい・看取りたい、という希望が強くなってきています。

政府もこれを支援する意向と計画を示していますので、今後、在宅ケアヘの動きが盛んになるものと思われます。

なお、アメリカのホスピスは在宅でのケアが中心となっています。

 

▶ 次ページへ:ホスピスの外来ケアとは?

 

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