看護のアイちゃんとともに「本当の看護」を追究してほしい【広瀬純子さんインタビュー2】

 

セントワークス株式会社の広瀬純子さんへのインタビュー第2回です!

広瀬さんは、看護師として10年以上のご経験を経て、現在「看護のアイちゃん」という訪問看護のアセスメントツールの営業を行っていらっしゃいます

 

前回は、「看護のアイちゃん」の「生みの親」である広瀬さんに、「アイちゃん」の詳細について伺いました。

※第1回記事はこちら:訪問看護アセスメントの強い味方!「看護のアイちゃん」について伺いました

すなわち、記録の精度を上げるアセスメントツールである「看護のアイちゃん」の導入により、看護師個々人の言語化の能力が上がり、ひいては、訪問看護ステーション全体の「質」が上がるということでした。

 

さて、取材中に終始明るい口調でお話される広瀬さん。

しかし、彼女の言葉の中に「看護にかける想い」をにわかに察知したインタビュワーは、広瀬さん個人のお話を伺うことにしたのです。

すると、一人の看護師としての真摯な想いを伺うことが出来たのでした・・・!

 

看護のアイちゃん、看護師

 

広瀬純子さんについて ~ポジティブ × 行動力~

 

――広瀬さんご自身の過去について伺っていきたいのですが、そもそも看護師になろうと思ったきっかけはどのようなものだったのですか?

 

実は、特に深い理由があるわけではなく、思い付きです。(笑)

 

私は一人っ子で、両親からは箱入り娘で育ててもらい、小さい頃は習い事三昧だったんです。

でも、やっぱり年頃になるとアルバイトをしてみたいと思うようになりまして・・・。

両親からは「危ない」と言われたのですが、近くの歯医者さんだったら安心ということで、高校生から歯科医院でアルバイトをはじめました。過保護ですよね。(笑)

それが「白衣の世界」へのデビューでした。(笑)

 

また、小学生の頃から実はお芝居にはまっていまして(笑)、小劇団でお芝居を演じながら、アルバイトと高校生活の三足のわらじを履いていました。

周りのみんなが「大学へ!」となっているときも、私はお芝居も続けたいという気持ちがあったので、「別にこのままの生活を続けて、高卒で就職してもいいかな」くらいの気持ちでいました。

でも、その時働いていた歯科医院にそのまま勤めるというのはあまりに安直だなと思ったので、少し家から離れた歯科医院へ面接に行き、就職をしたのです。

あんまり深く考えていないですね。(笑)

 

そこで2年くらい働いた時に、先輩から「若いのにこのまま無資格でここにいるのはどうなの?」と言われました。

その時私は、医療機関で働くということになじんでいましたので、「じゃあ看護師免許とろうかな」と思って看護学校を受験したのです。安直ですね。(笑)

同期の子たちと比べると3年上の歳で看護学校に入学したという形になります。

 

――看護学校卒業後は、どのように進まれたのでしょうか?

 

大学病院に3年弱勤務しました。

入職の際は定年までいるって言ったんですけどね。(笑)

 

タイマーを首から下げて走り回る毎日に疑問がわき、「なんだか違う!」と思った頃、タイミングもあり壽退社をしました。

その後、夫の転勤に同行し群馬県に引っ越し、子供を授かり「専業主婦もいいな」と思っていましたが、2年目なると「仕事がしたい」と思うようになって。

 

自宅の近所で「子どもを預けて働けないかしら」と探して見つかったのが、訪問入浴の看護師という仕事でした。

そこにはべビールームがあったので、子ども預けて私は訪問入浴の看護師として働き始めました。

そこが在宅看護との出会いです

 

――その時はやっぱり楽しいと感じましたか?

 

もう、定年までここにいようと思うくらい。(笑)

 

訪問入浴って、男性も含んだ3人1組で行く事業所が多いのですが、そこは珍しく女性3人だけ。

毎日、女子高生のようにきゃぴきゃぴとしながら、でも仕事は「阿吽の呼吸」でびしっと決める!

汗をかきながら体力勝負のお仕事ですが、お風呂上がりのお客様から「ありがとう」なんて言われた時には疲れも吹き飛び、本当に「いい仕事だなぁ」と思っていました。

ですので、ずっとここで働くつもりでいたんですけど、夫がまた東京に戻ることになって、泣く泣く退職して帰ってきました。

 

東京に戻っても、「また「訪問入浴をやりたいなぁ」と思い、勤めるなら自宅の近所が良いだろうと近くの交番に行き、「この辺で在宅やっているところありませんか?」って尋ねたら、「この道をまっすぐ進むとありますよ」と教えてくれたので、そのまま訪問しました。(笑)

「看護師なんですけど、いりませんか?」と、飛びこみで面談をしていただいた結果、「明日から採用」となりました。

ここが現職のグループ会社です。

 

――行動力がすごいですね!(笑)

 

全然調べずに入ったので、入社してから「うちの会社、こんなに大きかったんだ」と驚きました。(笑)

 

また、当初は訪問入浴として雇用されたのですが、訪問看護の管理者が私の履歴書を見つけて、「ちょっと待てよ、この人運転できるぞ?」となったそうで。

その晩に「訪問看護に興味はありませんか?」という電話がきて、よくわからないけど面白そうだから「はい!あります!」と返事をし、次の日には「こんにちはー!」と訪問看護師として訪問をしていました

 

――「こんにちはー!」って。(笑)

 

おかしいですか?(笑)

 

――訪問看護の方に行って、いかがでしたか?

 

いやー、、、楽しかったです!

 

訪問入浴と比べてできることが広がるわけじゃないですか。

ただ、制度自体もまだ未熟だった時代ですし、新人を教える方たちもまだ始めたばっかりだしということで、手探り感が強くあったことを覚えています。

 

――訪問看護を行う中でいろんな方と接していて、どのような所感を持たれましたか?

 

訪問看護はやればやるほど自分の未熟さがわかるというか、足りないところに気づかされます

それに、「こんな生活感をお持ちの方がいるんだ」とか「これでもいいんだ」みたいなところがたくさん出てきますので、「毎日が発見である」というのが一番思うところです。

刺激が強すぎて、今までの自分のアイデンティティを崩されることもたくさんありました。

 

――日常の発見なので明確に答えるのは難しいと思うのですが、「刺激」というのは例えばどういったことでしょうか?

 

考えてみれば、自分が今まで出会っていた方というのは、自分が多少は選んで付き合っている方たちです。

だから、生活習慣やお金に対する価値観もそんなに離れていない方が多いんじゃないかと思います。

 

しかし、訪問看護で「こんにちは!」と一歩踏み入ると、そこには何十年もご自身の価値観で生きてきた方たちが主人公としていらっしゃいます

わかりやすい例を出すと、清潔不潔の概念ですね。いわゆるゴミ屋敷になっていて、玄関から野良猫が入ってきて、ご飯が入っている鍋の上を猫がまたいでいくみたいなお宅とか。

他にも多種多様な驚きがありました。家族間の話、金銭の話、戦時中の話、「おれ、特攻隊だったんだよ」という話など。。。

もうとりあえずいろいろビックリなんですよ。

 

しかし、訪問看護の場合はそれを全否定するのではなく、この先もよりあなたらしく過ごせるように何かアドバイスができれば、というお手伝いが仕事です。

訪問看護では、まずはその方の土俵に立たせていただくところがスタートだと実感しました

 

――そこからはずっと現場でご活躍されてきたのでしょうか?

 

管理者を経験後、人が育ってきたので管理者を渡して統括の立場になり、地域を見るようになりました。

その後、社内で「看護のアイちゃん」のプロジェクトが立ち上がったので、やってみたいなと手を挙げました。

新しいものが好きなのと、何か思ったらとりあえず動きたいタイプなのです。(笑)

 

――この「看護のアイちゃん」のプロジェクトが始まり、看護師からいわゆる「営業」になったわけですが、いかがでしょうか?

 

私、看護師が天職だと思っていたんですけど、なぜか営業も好きみたいです。(笑)

 

――素晴らしいですね!

 

たぶんこれで飲食に行っていたら「飲食、天職!」とか言っちゃってたと思うんですけど。(笑)

 

でも、本当に楽しくて、やりがいを感じています

ソフトの運用・活用方法についてご案内をするだけではなく、まったく初めてお会いする方と看護をアツク語り、気が付けば「じゃあ、懇親会行っちゃうか!」となったりすることも。(笑)

 

――では、広瀬さんからしてみると看護師の時と比べてガラッと変わったというわけじゃないんですかね?

 

そうなんですよ。

「もう看護の現場に戻らないの?」と言われることもありますが、お客様先で事例検討を一緒に行ったり、もちろん看護の勉強も続けていますので、「看護師」を辞めた気はさらさらしてないんです

だからそんな遠くに行っちゃった気もしなくて、今でも「訪問看護LOVE」です!

 

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