『看護師と訪問看護師のイロハ』の第4回は、「目的」の違いについてご説明致します。
これまでの第2回・第3回では、訪問看護師と看護師の業務について触れてきましたが、
「そもそも訪問看護師と看護師という職業は、なんのためにあるの?」という「目的」の部分について明確に述べてはいませんでした。
どんな事柄でもそうですが、「目的」は物事の根幹に関わるところです。
というわけで、このあたりで訪問看護と看護の根幹部分もしっかり把握しておきましょう!
画像出典:pamf.org
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本シリーズ『看護師と訪問看護師のイロハ』の目次
第4回 訪問看護師と看護師の「目的」の違い
第10回 まとめ ~「車の両輪」としての訪問看護師と看護師~
看護の目的とは?
前回までの記事をご覧になっている方には繰り返しになりますが、
看護師とは、「医師の診察・指示に基づいて、患者の診療を補助したり、患者が入院生活を過ごしやすいよう日常生活の援助や看護を行う者」のことです。
そして、具体的には、問診や各種検査、点滴や注射、食事・排泄の補助、患者移送、検温や入浴の介助、体位交換、記録、巡回、ベッドメイキングなどが業務内容になります。
そんな看護師、究極の目的は何かと言えば、「病気を治すこと(治療)」に他なりません。
この「当たり前」が、実は訪問看護との違いを理解するに際しては重要な手がかりとなります。
訪問看護の目的とは?
さて、訪問看護とは、「看護師、保健師・助産師などが居宅を訪問して、主治医の指示や連携により行う看護(療養上の世話又は必要な診療の補助)」のことを指します。
病気や障がいがあっても、医療機器を使用しながらでも、住まいで最期まで暮らせるように多職種と協働しながら療養生活の支援をする。これが訪問看護のお仕事です。
つまり、「訪問看護」は病院での看護と比べ、「治療」というよりも「生活の支援」と言った意味合いが強い看護なのです。
キーワードとしては、病院が「病気」や「治療」なら、在宅は「生活」や「生きがい」と言えるでしょう。
これを別の切り口で表現すると、病院は「医療モデル」、在宅は「生活モデル」となります。
医療モデルの場合、病気を治療することこそが本分ですが、生活モデルでは、不治の病や障がいを抱えながら”その人らしく”暮らすことが理想の形となります。
治療と支援。
目に見える行為はそれほど変わらないかもしれませんが、(病気やハンデに対する)「アプローチ方法」が違うのです。
では、なぜその訪問看護が注目を浴びるようになっているのでしょうか?
以下、「背景事情」についてご説明いたします。
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