体位変換で介助者が褥瘡(じょくそう)を予防するための3つのポイントとは?

 

体位変換において褥瘡を予防するためのポイント3つ

 

ここまで、体位変換の方法の前段階としての基礎知識を挙げてきました。

ここからは、体位変換で褥瘡を予防するための具体的なポイントを3つご紹介します。

3つのポイントとは、「方法」「時間間隔」「寝具」になります。

※以下日本褥瘡学会のHPを多分に参考・引用しています

 

*体位変換の方法を知りたい方は〈こちら〉へ

 

ポイント1:体位変換の方法

 

長い時間同じところの圧迫を避けるため、定期的に体位変換を行います。

方法のひとつに骨の突き出しがない広い面積のお尻の筋肉(殿筋)で体重を受けることができる「30度側臥位」(→下の写真)があります。

 

画像出典:jspu.org

 

この体位をとる場合はクッションなどを活用して、できるだけ広い接触面積で姿勢を保てるようにします。

※ただし、個人差があるので「30度」はあくまでも目安です

体位変換のときはベッドからの転落や摩擦・ずれをなくすため、できれば2人で行います。

このとき寝衣のしわによる圧迫をなくすよう整えます。

1人で行う場合は、体の部分を少しずつ移動させていきます。

※より具体的な方法については、ビーナースの記事「体位変換のコツって? 3つのシーンに分けてご紹介!」をご覧ください♪

 

画像出典:jspu.org

 

ポイント2:体位変換の時間間隔

 

基本的に2時間を超えない範囲で行います。

※ただし褥瘡予防マット(体圧分散寝具)の種類や骨の突き出し具合によって個人差はあります。

ケアを標準化するために、「体位変換表」(下図)を使用すると良いでしょう。

 

画像出典:jspu.org

 

ポイント3:体圧分散寝具

 

体圧分散用具の目的には下記の二点があります。

 

  • ①「沈み込み」や「包み込み」により突出部の圧力を低くする(身体の接触面を増やす)こと
  • ②「接触部位を変える」ことによって接触圧を低くすること

 

体圧分散寝具を使用することにより、褥瘡発生率を低下させることが可能となります。

体圧分散寝具の種類は、対象者の褥瘡発生リスク、好み、ケア環境等も考慮に入れて選択します。

特に自力で体位変換が出来ない人には、圧切替型エアマットレスを使用することが勧められています。

 

褥瘡予防 寝具

画像出典:jspu.org

 

体位変換で褥瘡を予防するための3つのポイント〜まとめ〜

 

以上、いかがでしたでしょうか。

体位変換で褥瘡を予防するためのポイント3つは、下記の通りでした。

 

  • ・「30度側臥位」をベースとして体位変換を行うと良い
  • ・体位変換表を用いて時間管理を行うなどして、基本的に2時間を超えない範囲で行う
  • ・被介助者に合わせた体圧分散寝具を選定する

 

一人でも多くの患者さんを笑顔にするためにも、基礎を含めたスキルアップを積み重ねていきましょう!!

 

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