緩和ケアを行う時期
緩和ケアは、がんと診断されたときから始めます。
緩和ケアは、がんの治療ができなくなってから始めるものではありません。
身体や心などのつらさが大きいと、体力を消耗することにより、がんの治療を続けることが難しくなります。
そのため、がんと診断された時から「つらさをやわらげる=緩和ケア」を始めることが大切です。
緩和ケアは、がんの治療中かどうかや、入院・外来、在宅療養などの場を問わず、いずれの状況でも受けることができます。
画像出典:nagasaki-mc.jp
ホスピスの意外な一面
ホスピスは、たしかに余命の短い患者さんが入院するところですが、決して全員がそこで死を迎えるわけではありません。
また、死ぬまで退院できないというわけでもありません。
実際ホスピスでは、入院後に症状コントロールがなされて、自宅へ退院される患者さんもいらっしゃいます。
その率は、ホスピスによって異なりますが、20% 程度のところが多いようです。
なかには、30% をこえているところもあります。
ホスピスでは、限られたベッド数を有効に利用するために、症状コントロールがうまくいった患者さんには退院してもらい、外来通院や訪問看護で在宅ケアに移る努力がなされます。
死亡直前の短期入院患者が約50% 、いったん症状が緩和され、退院でき、症状コントロールの目的で短期入院される患者が約20% 、在宅不可能な長期入院患者が約30% 、と報告しているホスピスもあります。
また、あるホスピスでは入院目的として、下記の3つをあげています。
- ①遠からず死が予測される患者さんのターミナルケア
- ②痛みその他の症状のコントロール
- ③家族が介護に疲れたときなど、家族の休息のために一時的に入院するレスパイトケア
そのホスピスでは、②、③の場合は、その目的が達成されると一時退院し、外来通院することになります。
最初から退院を前提とした一時的入院も一般的に認められているのです。
まとめ
以上、ホスピスが決して「死を待つ場所」ではないことが再確認できたのではないでしょうか?
肉体面はもちろん、精神的な面に及ぶ「トータルケア」を目指すホスピス。
次回は、そんなホスピスの中でも「在宅」におけるケアにフォーカスしたいと思います。
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