『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎』 第5回:ホスピスの癌ケア1

緩和ケアを行う時期

 

緩和ケアは、がんと診断されたときから始めます。

緩和ケアは、がんの治療ができなくなってから始めるものではありません。

身体や心などのつらさが大きいと、体力を消耗することにより、がんの治療を続けることが難しくなります。

そのため、がんと診断された時から「つらさをやわらげる=緩和ケア」を始めることが大切です。

緩和ケアは、がんの治療中かどうかや、入院・外来、在宅療養などの場を問わず、いずれの状況でも受けることができます。

 

画像出典:nagasaki-mc.jp

 

ホスピスの意外な一面

 

ホスピスは、たしかに余命の短い患者さんが入院するところですが、決して全員がそこで死を迎えるわけではありません

また、死ぬまで退院できないというわけでもありません

実際ホスピスでは、入院後に症状コントロールがなされて、自宅へ退院される患者さんもいらっしゃいます

その率は、ホスピスによって異なりますが、20% 程度のところが多いようです。

なかには、30% をこえているところもあります。

ホスピスでは、限られたベッド数を有効に利用するために、症状コントロールがうまくいった患者さんには退院してもらい、外来通院や訪問看護で在宅ケアに移る努力がなされます。

死亡直前の短期入院患者が約50% 、いったん症状が緩和され、退院でき、症状コントロールの目的で短期入院される患者が約20% 、在宅不可能な長期入院患者が約30% 、と報告しているホスピスもあります。

 

また、あるホスピスでは入院目的として、下記の3つをあげています。

 

  1. ①遠からず死が予測される患者さんのターミナルケア
  2. ②痛みその他の症状のコントロール
  3. ③家族が介護に疲れたときなど、家族の休息のために一時的に入院するレスパイトケア

 

そのホスピスでは、②、③の場合は、その目的が達成されると一時退院し、外来通院することになります。

最初から退院を前提とした一時的入院も一般的に認められているのです。

 

まとめ

 

以上、ホスピスが決して「死を待つ場所」ではないことが再確認できたのではないでしょうか?

肉体面はもちろん、精神的な面に及ぶ「トータルケア」を目指すホスピス。

次回は、そんなホスピスの中でも「在宅」におけるケアにフォーカスしたいと思います。

 

【PR】
看護師の転職を考えている方は
こちらがオススメです♪

 

この記事はいかがでしたか?

・週一回なら、まぁ見てもいいかな♪
・わざわざ情報を探すのが面倒・・・
・会員特典がどんなものか気になる

といった方は是非ご登録をお願いします!!

 

下記リンクからの無料会員登録で、

メルマガ受け取り@毎週土曜日

診療報酬改定まとめ資料受け取り

などが可能になります!!

(もちろん、わずらわしい情報は一切お送りしませんよ♪)

 

メルアドだけの簡単登録!

 

会員限定資料の一部を見てみる

 

☆関連お役立ち情報☆
 

『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第1回:日本人にとっての癌

『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第2回:癌の原因と特徴

『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第3回:癌の三大治療法

☆おすすめのまとめ記事☆
 

【看護師スキルアップ術まとめ20選】3種の看護スキルでQOLを最大化!

【ホスピス・緩和ケア係る診療報酬改定2016まとめ】緩和ケアに関する改定、まるわかり!

【看護における基礎概念まとめ】看護に迷った時は基礎に立ち返ることが大切です

 

★ここまでで分からない用語はありませんでしたか? そんな方は・・・

 

ビーナース在宅用語集で確認!!

 

 

関連する記事


【緩和ケアに係る診療報酬改定2016】地域がん診療病院・小児がん拠点病院の評価(用語説明付)

平成28年度(2016年)の診療報酬改定では、在宅領域(在宅医療・訪問看護・(ホスピス)緩和ケア・看取り)に関わる制度改定が多数行われました。今回は、中でも「(ホスピス)緩和ケア」に関わる改定項目(「地域がん診療病院・小児がん拠点病院の評価」)を、用語解説を含めてご説明します!