看護師として患者さんと向き合う以上、避けて通ることのできないのが患者さんの「死」です。
死に向きう回数が多くても、寂しい気持ちは変わらないですよね。
今回はそんな患者さんに看護師が行なう「最期ケア」である「エンゼルケア」についてまとめてみたいと思います。
画像出典:nursingcrib.com
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エンゼルケアとは?
長い闘病生活、または突然の死。
すべての人間が迎える「死」の瞬間には患者さんが頑張った形跡、跡が残っています。
それらを整え、最期にふさわしい姿にすることが、「エンゼルケア」です。
「死後の処置」という呼ばれ方もしていましたが、現在では「エンゼルケア」という呼び名が一般的になってきているのではないでしょうか。
点滴を抜針し止血する、創部をガーゼなどで綺麗に覆い、全身を清拭し、綺麗な着物に着替えるなど、最期の旅立ちに向けての準備をするわけです。
「エンゼルケア」は看護師だけでなく、患者さんの家族にとっても大切な行為です。
患者さんの死を受け入れ、患者さんを送り出すという行為は、「グリーフケア」にもつながります。
グリーフケアにおける看護師の役割を紹介した記事もあるので、ぜひあわせてご覧になってくださいね。
エンゼルケアの手順
使用する物品などは各施設により違いがあるかと思いますが、一般的なエンゼルケアは以下の手順になります。
1 医療器具や治療器具を取り除く
生体監視モニターや輸液などの治療でした器具などを、患者さんの身体から取り除きます。
抜針後はしっかりと圧迫止血をするようにしましょう。
2 家族との別れの時間を作る
患者さんの身体から不要な物を取り除いたら、しばらく患者さんと家族との時間を作ることが大切です。
突然の死、長い闘病生活の末の死、家族の思いは様々ですが、まずは患者さんの家族に「死」と向き合う時間を作ることは大切です。
3 排出物の処理
腹部を圧迫し、尿や便を排出させます。
無理に排出させる必要はなく、腹部を圧迫して、排出があれば綺麗に処理しましょう。
4全身清拭
全身の清拭を行います。
看護師だけで行うのではなく、家族に希望を確認し、一緒に行う場合もあります。
口腔内も併せてケアします。
5 詰め物
浸出液や排出物の流出を防ぐために詰め物をします。
綿を使用し、鼻、口、耳、肛門、腟などに詰め物をしていきますが特に鼻については、詰めすぎると顔貌が変化してしまう場合がありますので、注意しましょう。
最近では綿の代わりに、一定の時間で固まるゼリーを使用する場合や、詰め物をせずにご遺体を冷却し、流出物を防ぐ場合もあります。
6 着替え
一般的には浴衣などに着替えをする場合が多いですが、この際に注意すべき点として、襟は「左前」、帯は「縦結び」にするということです。
場合によっては浴衣ではなく、患者さんのお気に入りの服装に着替えさせることもあります。
ご家族と相談して準備をしてもらいましょう。
7 化粧
女性の場合は濃くなりすぎない程度に化粧をします。
男性の場合は髭を剃ります。
髪をブラッシングするなどして整えます。
8 手を合掌に
胸の上で、両手を組み合掌させます。
手は左手の親指が身体につくように、左手を手前に組ませます。
硬直するまでの間で、必要な時には包帯や合掌バンドにて手を固定する場合もあります。
9 お見送り
全てを整えたら、顔に白い布をかけます。
最後にご冥福をお祈りし、ご自宅にお見送りします。
画像出典:nhs.uk
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