現役訪問看護師Sさんの体験談記事、3弾目です。
テーマは、「訪問看護師転職時の研修制度」について。
何もかも「独り」ということがよく話題にのぼる訪問看護領域ですが、どのように研修がされるのでしょうか?
今回も、転職を考える時にぜひとも入手しておきたい判断材料。
是非、ご参考になさって下さい!
画像出典:schools-training.com
訪問看護師が送る研修について ~まえがき~
訪問看護分野ではどのような勉強がされているのでしょうか。
今さら基礎看護技術を学ぶのも違うし、といって病院にお知らせでくるような急性期や感染の勉強会、治療に関しての勉強会に参加して現場に役立つか不明です。
そこで、いったい訪問看護ではどんな研修に参加されていて、職場の研修にはどういうものがあるかについて書いていきたいと思います。
「新入社員研修」は、病院と訪問の違いを知ることに尽きる
さて中途採用で初めての訪問看護の道を選んだあなた。おめでとうございます。
そんなあなたが初めにすることは何でしょうか。
実は、ありません。 検討を祈る!!
と、現場に放り出されるというと言い過ぎですが、本当にこれといった新入社員研修はないのが一般的なようです。
中途採用だからか、新社会人として行ってもらった手厚い指導はなく、基礎的な改めて教える必要もないはずですからね。
じゃあ不安で不安でという方も多いはずです。
筆者も心配だったんです・・・。
が、今振り返るに、自分にとっては研修というものをしなかったことが、何か大事なことに気づくための「研修」だったかと思っています。
初歩的なことなのですが、病院と在宅の違いについて頭で理解するだけでなく体系的に理解して看護ができるということです。
病院で見る患者と自宅にいる患者は違うもの。
訪問看護では、シーンに伴って看護師としての役割も変わってきます。
そういうことを理解することが新入研修だったのではないかと今では思います。
外部で皆どんな研修に出ているの?
外部を見渡してみると、訪問看護師達はどんな研修に出ているのでしょう。
在宅医で開催されている研修から企業が開催している研修までありますが、どこを見ても患者のQOLに関する研修が多いのが特徴的です。
特に高齢者特有の問題である誤嚥性肺炎に関する看護や認知症に関することが多いようです。
当たり前ですが、患者のほとんどは高齢で病院での入院適応でなくなった患者が多いわけで、在宅でより良く過ごすための看護が求められます。
ですから、どうしてもそれらに関した知識が必要になってきます。
実際に働き出すとすぐに(そういった知識に)触れることができますが、きっかけがあれば一度研修に参加されてみた上で、自分がどういう観点から関わりたいか見つけられてみてはいかがでしょうか。
「訪問看護」そのものが、誰も教えてくれない研修所
訪問看護には、訪問看護ならではの特徴がたくさんあります。
たとえば、、、
- 学校では教わってこなかった、病院の現場では学べなかったことが在宅では学ぶことができる
- 他社との関わり方といった社会性をもつこと、そして分からないこと聞く素直さや無駄なプライドを捨てることなど「人格」に関わることが学べる
- 分からなくて当たり前で今後必ず困ることが出てくる
- 自分だけでなんとかしようと言っていると、いつかは破綻する
- 患者が大事にしている多様な価値観に触れられる
これらの特徴は、社会で役立つものばかり。
特に「研修」を設けなくとも、日々意外な形で「研修に出向いている」ことになるのではないでしょうか。
自分の看護観をどう活かせばよいか迷っている方、人間として漠然とした底の浅さを感じている方、
いずれ独立を目指したい方などなど、今以上にステップアップしたい人には在宅はもってこいというわけです。
研修は自分で作る
いかがでしたでしょうか。
誰かが準備した研修など、多くは生きていく中で何の役にも立たないものです。(タイトルの答えになっていないかもしれませんが。。。汗)
研修とは職場外でやるものでなく、知らなかった知識やできなかったことを習得することそれ自体ではないでしょうか。
場の空気だけで「やった感」を得ていては何も始まりません。
多方面の研修を自身で作り出すことが出来れば、働いている今も楽しくなりそうですね!
※Sさんの前回記事、「転職時に期待していた点とその実際」も、転職時の判断材料としては有用ですよ!
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・【K-WORKER 山上所長インタビュー第1回】全員車いすで仕事!?被介護者の〇〇に着目するワケ
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