ダブルケアの体験談から見えてくる行政面の課題とは?

 

ダブルケアに悩まされる井上さんの1日

 

朝9時半にお母さんをデイサービスに預け、家事をこなします。

午後3時半に長男が学校から帰宅、子供たちにおやつをあげます。

そのあとは目の悪いお母さんのために薬の管理、飲むことの補助をします。

その後夕方にお母さんがデイサービスから帰宅したら、17時に次男を迎えに幼稚園に向かいます。

17時半ケアマネージャーさんと介護の相談をしますが子供たちが兄弟げんかを始めてしまうので、子供をあやしながら打ち合わせをこなします。

18時に夕食の準備を始め、みんなでご飯を食べます。

ここで座ってようやく一息つくことが出来ます。

夕食後も片づけ・子供のお風呂・お母さんのお風呂の補助などを行い寝るのは深夜12時になるそうです

夜中にも何が起こるかわからないという状況だそうで、とても休まる暇がありませんよね。

さらに1年前、まだ末っ子が2か月の時お母さん(おばあちゃん)が車いすから転倒し怪我をしてしまったそうです。

すぐに病院に行かなくてはいけない状態ですが3人の子供がいます。

ちょうどノロウイルスやインフルエンザが流行していたため病院からは子供の立ち合いを拒否、夫も仕事を抜けられず、デイサービスも空きがない・・・

結局お母さんを1人救急車で運んでもらったそうです。

参考記事:LIFE|料理のコツ・レシピ・健康・ダイエットなど主婦目線の気になる情報発信サイト

 

画像出典:joreerose.com

 

ダブルケアの「今」を考える

 

今回ご紹介した事例では、ダブルケアがいかに負担の大きい問題かを痛感させられます

子供の育児をしながら、認知症のお母さんの介護をし、本当に疲労困憊している様子が見受けられます。

お母様の介護は日中デイサービスを利用しているものの、デイサービスのお迎え・子供のお迎えも一人で行っており、まだまだ行政のサービスが足りているとは言えない現状です。

帰宅しても、子供のご飯から、お母さんのお風呂の補助までこなさなくてはいけません。

そして、お母さんの体調が急変すると、病院に送らなければなりません。

子供達もいるのにどうしたら良いのか誰もが困惑します。

夫は仕事から抜け出せず、救急車を呼ぶしかない。

そんな厳しい現状が、誰にでも起こるのです

これらの問題点は、すべて育児や介護を一人で行っている社会的な事情に起因します

真っ先に頼りたい夫は、仕事の都合で抜けられない。

近くに頼る親戚や姉妹もいないなんて、現代では当たり前の現状です。

「女性の社会進出」や、「一億総活躍社会」なんて掲げている場合ではありませんよね。

 

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