現在の院内感染サーベイランスの流れと内容を解説!
流れ1:データの提出
参加医療機関から専用サイトから送信します。
この際データの解析、公開情報、還元情報作成、精度管理などを送信します。
流れ2:公開内容の確認、サーベイランスデータに関する相談など
サーベイランスに関するお問い合わせは「一般の方向け」または「参加医療機関専用」のお問合せフォームから問い合わせができ、事務局は回答を作成、メールで問い合わせ元に連絡してもらえます。
公開内容の承認、サーベイランスデータシステム改善等の技術的支援に関しては、公開情報はホームページ上で公開されます。
流れ3:還元情報・公開情報
参加医療機関は専用サイトから還元情報をダウンロードできます。
公開情報はホームページ上でダウンロードができます。
画像出典:hindustantimes.com
各部門での院内サーベイランスの目的
それでは5部門の院内サーベイランスの目的について簡単に解説していきます。
検査部門の目的として、細菌検査により各種検体から検出される主要な最近の分離頻度およびその抗菌薬感受性を継続的に収集・解析し、医療機関における薬剤耐性菌による感染症の発生状況を明らかにすることが挙げられます。
対象とする薬剤耐性菌に関しては以下の5つがあります。
- MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
- VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)
- MDRP(多剤耐性緑膿菌)
- PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)
- VRSA(バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)
全入院患者部門の目的としては、全入院患者を対象とし、主要な薬剤耐性菌による感染症患者の発生率に関するデータを継続的に収集・解析し、医療機関における薬剤耐性菌による感染症の発生状況を明らかにすることが挙げられます。
手術部位感染(SSI)部門の目的としては、術後に発生する手術部位感染(SSI)のリスク因子ごとの発生率やその原因菌に関するデータを継続的に収集・解析し、医療機関における手術部位感染(SSI)の発生状況を明らかにすることが挙げられます。
集中治療室部門の目的としては、集中治療室(ICU)で発生する3種類の院内感染症(人工呼吸器関連肺炎、カテーテル関連血流感染症、尿路感染症)の発生率やその原因菌に関するデータを継続的に収集・解析し、ICUにおける院内感染症の発生状況等を明らかにすることが挙げられます。
新生児集中治療室部門の目的としては、新生児集中治療室で発生する院内感染症の発生率とその原因菌に関するデータを継続的に収集・解析し、新生児集中治療室における院内感染症の発生等を明らかにすることが挙げられます。
院内感染サーベイランス:まとめ
いかがでしたか?
衛生的な国と言われる日本でも、海外から恐ろしい感染症が舞い込んでくる可能性もある時代です。
全国的に情報を集め、解析することで、最適な予防対策についての情報を得ることができるのではないでしょうか?
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