ベッドで横向きになる・足を曲げるなど介助をしたくても、嫌がる方が多いのが事実。
しかし、寝たきりのままにならないよう、できる限り早めに座る生活に戻していきたいですよね。
利用者の体へのケアはもちろんのこと、シーツやパジャマにしわをつくらない配慮も必要です。
そこで本記事では、患者さんへの配慮と正しいケアを同時に必要とする体位変換の方法、そのシーンごとにお伝えさせていただきます!
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【体位変換の方法】 ベッド上での水平移動
(1)移動方法
以下の順番に従い、移動介助を行いましょう!
- ①利用者の両腕を腹部の上(もしくは胸のあたり)で組み、膝を立てましょう。
- ②肘関節で首を支えながら、手掌で肩骨部を支えます。
- ③介護者の反対側の腕を支柱にし、利用者の上半身を持ち上げ、手前に移動させていきます。
- ④片手を腰の下、片手を大腿部(お尻の近く)に入れ、手前に引きます(介護者の両膝は、ベッド脇につけ、介護者の腰を後方に下ろす)。
また、膝を立てられる場合は膝を経て手前に移動します。
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(2)コミュニケーション
介助されることに慣れている利用者でも、テキパキと対応しながら取るコミュニケーションは大切です。
必ず、「膝を立てますよ~。痛くないですか?」などと自分が触れる部分とどのような体位になるのか、利用者に報告しましょう。
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【体位変換の方法】 上方移動
(1)上方移動における留意点
ギャッチベッドの背上げを利用した後など、利用者の身体全体がベッドの下にずり落ちていることがあります。
このとき、身体を適切な位置に戻すことが必要です。
しかし、勢いよく行うと上がりすぎて、ベッド上方に頭をぶつけてしまうことがあるので注意しましょう!
(2)上方移動の方法
- ①ベッドの上部に枕を立てます。
- ②利用者の腕を組み、両膝を立てます。
- ※片麻痺の場合は健側の足を麻痺側の膝の下に入れて組みましょう。
- ③利用者の足元側の腕は腰部または大腿部に、頭側は肩甲骨部を支えます。
- ④介護者側に利用者を近づけます。
最後に「1、2、3」と利用者と息を合わせ、協力してもらいながら上方へ移動していきます。
ギャッチベッドの場合は、足元を高くして行うと移動しやすいです。
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