入浴介助の方法間違えてませんか?コツをつかんでよりよいケアを!

 

入浴は身体を清潔にし、血液の循環をよくするとともに、気持ちもリラックスさせてくれますよね。

しかし、人によっては体力を消耗したり、疲労を伴ったりするなどの身体的変化のほか、転倒ややけどなどの事故につながる可能性もあります。

入浴介助の効果や安全な方法を理解し、利用者に対する「よりよいケア」を目指していきましょう!

 

入浴介助、コツ、方法

画像出典:homeinstead.com

 

入浴の利点と注意点

 

(1) 入浴の利点

 

入浴ないしは入浴介助には下記の効果・意義があります。

その点を意識して行うと、「よりよいケア」が出来るのではないでしょうか。

 

  • ・皮膚を清潔にし、感染を予防できる
  • ・血行がよくなり、身体が温まる
  • ・浮力の働きで筋肉の負担を軽減し、疲労回復につながる
  • ・リラックスできるほか、安眠をもたらす
  • ・清潔にすることで人間関係を円滑にし、社会参加を促す
  • ・全身を観察する機会となる

 

(2) 入浴介助における注意点

 

事故が起きやすいのが入浴の特徴。

以下を注意し、未然に事故を防ぎましょう。

 

  • ・転倒による外傷・骨折のほか、浴槽内でのバランスが崩れることによる溺れ、給湯ミスでの熱湯のやけど
  • ・エネルギー消費による疲労
  • ・発汗や利尿作用の増加により、血液の粘稠度が増す
  • ・石鹸の使用により、角に皮脂を取り去り皮膚が乾燥してしまう
  • ・居室・脱衣室・浴室に温度差があると、寒冷刺激により血圧の急激な上昇を招く
  • ・長湯で血圧低下となり立ちくらみや体温上昇による熱中症からの意識障害

 

「もし、この事故が起きたらどうするか・・・」ということを事前に考えておくことは、

入浴介助を行ううえで極めて重要なポイントであることは既にご承知のことと思いますが、改めてお気を付けください。

 

画像出典:arjohuntleigh.fr

 

入浴介助における事故の予防と対応

 

(1) 入浴介助の準備では「室内環境を整えること」も重要

 

事前の準備と利用者の入浴中・使用後の「環境」に関するポイントは以下になります。

 

<事前準備>

  • ・部屋から浴室までの状況確認
  • ・浴室へ入る為の段差
  • ・手すりの有無
  • ・浴室の床は滑らないか
  • ・浴槽に入れるか
  • ・利用者の身体状態から予測できる危険を想定しチェックする
  • ・介護者の動線を確保するために、使用しないものは浴室外に出しておく

 

<利用者入浴中>

  • ・脱衣室や浴室に危険な状況はないか確認
  • ・脱衣室や浴室は暖めておき、床に滑り止めシートを敷く
  • ・シャワーチェア、バスボード、その他必要な物品がそろっているか確認
  • ・好みの湯温かどうか確認

 

<使用後>

  • ・使用物品の後片付け
  • ・入浴用具を点検し、使用物品の補充をして、後日使うときに不足がないようにする

 

上記のポイントを守り、安全対策を心がけましょう!

 

画像出典:rica.org.uk

 

(2) 入浴介助における「設備」に関する注意点

 

浴槽の形は、和式か折衷型で底辺の長さが約100cm。
浴槽の縁の高さは、縁まで足があがる高さは約40cm。

縁が高い場合は、すのこで洗い場の床の高さを調整する必要があります。

また、浴槽の深さは約50cm。

これよりも深い浴槽には、浴槽台を設置して腰掛けられるようにします。

以上を必ず覚えるようにしましょう。

 

▶ 次ページへ:入浴介助における手順とは??

関連する記事


アセスメントシートを記入する際のポイントとは〜よい看護を行なうための大切な準備です〜

以前、【フィジカルアセスメントを行うポイント】をご紹介させていただきました。フィジカルアセスメントを行なう第一段階として、訪問看護開始時にアセスメントシートを用いて様々なアセスメントを行います。今回はアセスメントシートを記入する際に気をつけたいポイントをご紹介させていただきます。

【緩和ケアに係る診療報酬改定2016】がん治療中の外来患者の在宅医療への連携の充実(用語説明付)

平成28年度(2016年)の診療報酬改定では、在宅領域(在宅医療・訪問看護・(ホスピス)緩和ケア・看取り)に関わる制度改定が多数行われました。今回は、中でも「(ホスピス)緩和ケア」に関わる改定項目(「がん治療中の外来患者の在宅医療への連携の充実」)を、用語解説を含めてご説明します!