移動・移乗は、日常生活のすべての行為を行うための基本と位置付けられています。
私たちも普段の生活においても様々です。
- ・食事をする為
- ・急いでトイレへ向かう
- ・ほしいものがあるので買い物へ行く
- ・お友達と出かける
ですが、足を怪我していたりすると、この移動も億劫になってしまいますよね、、、
これは高齢者の方も同じことです。
足腰が弱まっていても、スムーズな移動を体が覚えていたりする場合、現実に悲しむこともあります。
そこで今回は自立支援に向けて、移動・移乗介助のコツをいくつかご紹介させていただきます。
画像出典:nextavenue.org
移動介助のポイント
(1) 利用者の状態把握
利用者の状態として以下の内容をチェックします。
- ・利用者の疾病、障害の部位と程度
- ・活用できる機能
- ・体型
- ・めまいの有無、呼吸の状態
- ・理解力・意欲の程度
- ・筋力の状態やバランス感覚
(2) 移動介助における留意点
移動の介護では、以下がポイントになっていきます。
- ・動線を考えた動きができること
- ・必要な物品を準備しておく
- ・使用する福祉用具が所定の位置に置かれていること
- ・活動しやすい服装・履物であること
- ・利用者に危害を与えない配慮(爪の長さ・名札・ベルトの金具・ピアス)がなされている
- ・事前に利用者への説明がなされている
以上の内容を確認し、利用者へ移動の介助を行っていきます。
歩行の介護の方法
(1)歩行介助のポイントと留意点
歩行は、身体が支えられ、バランスがとれ、肢を振り出す事が出来れば何の問題もないですが、支障をきたす場合は、杖が必要となってきます。
また、膝折れがあったり、足が緊張して反ったり、尖足がみられる場合などは装具が必要です。
いずれも支持基底面において、麻痺側が支えられず、麻痺側に転倒することが多いので、介護者は麻痺側の転倒を防ぐことが必要となってきます。
歩行の介助にあたっては、利用者を急がせないなど、安全を最優先にさせる必要があります。
(2) 屋外歩行の介助
・杖を使用している方の歩行介助
屋外歩行の場合、長時間歩き続けることがないように適宜休憩をとり、歩き終わったらゆっくり休めるように配慮しましょう。
杖歩行のパターンには3点歩行(=3動作)と、2点歩行(=2動作)があります。
歩行が安定すれば、3動作から2動作へと移行するようになります。
※3点歩行・・・杖→麻痺側の足→健側の足という順で歩行
※2点歩行・・・杖と麻痺側の足をそろえて出し、健側の足を出して歩行
(3)室内歩行の介助
基本的に屋外歩行の介助と変わりはないですが、室内では以下の点に注意が必要です。
- ・できるだけ照明を明るくする
- ・移動の動線上、つまずきなどの危険が予測される場合には、足元に置かれているものを片付ける
- ・転倒の原因となる因子をできる限り排除する。
歩行介助は、利用者の歩行能力に応じて、腰に手を回す・両手をつなぐ・腰ベルトを使うなど方法を選んでいきましょう。
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