命と向き合う医療の現場での仕事は、精神的にも体力的にも簡単なものではありません。
では、なぜ看護師を続けているのかって?
理由は簡単で、居続ける理由がちゃんと存在しているからです。
ちょっとキザになりましたが、本記事では、私が感じている看護師でよかった、忘れられない体験談をご紹介します。
【看護師でよかったこと1】患者さんの笑顔
特に新米看護師の頃のことです。
私は患者さんの笑顔と優しさに救われていたと言っても過言ではありません。
業務でのケアレスミス、先輩にしかられることは毎日。
一日の大半を忙しく動き回り、笑顔をなくしていたのです。
そんな中、一人の患者さんが「疲れてるんじゃない?」と私に言いました、
いいえ、そんなことは…と答えると、
「力抜いてください。あなたが参ってしまったら、私は誰とお散歩したらいい?」
とのお言葉。
そう言ってくれた笑顔に救われて自然と私も笑顔になりました。
優しい笑顔は、私の疲れ切った心に効果絶大で、
笑顔の大切さ、そして「業務第一」と奔走していた自分に気付かされました。
【看護師でよかったこと2】 患者さんの心に少しでも自分が残る
私のいた精神科病棟でのお話です。
患者さんの一人が、私の名前をずっと覚えられない方でした。
毎朝、患者さんの持つノートに自分の名前を書き、覚えてもらおうと試みましたが、翌日は知らない人。
しばらくして転院が決まった患者さんですが、やっぱり覚えていません。
私の看護は、患者さんの心に残るほど熱心ではなかったんだ、、、
重い足取りで、病室に向かいました。
いつもの穏やかな笑顔で、「どうかしたの?あなたの名前は?」と私に尋ねる患者さん。
他愛もない話をして、そろそろ戻りますね、と腰を上げると、
「ここに名前があるでしょう?この人に、お礼を言ってちょうだい。」
それは、私の名前でした。
患者さんの前で「分かりました」と答えた時の私は、満面の笑みを浮かべていたはず。
こんなに優しい気持ちで笑ったのは、初めてだったかもしれません。
喜びが、明日への活力となることを実感しました。
画像出典:radixtree.com
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