人間には誰しも死を迎えます。
死の間際に、死の迎え方を自分で選ぶことは難しいといえます。
自分で動くことができない、認知症で意思を表すことができない、等様々な理由があります。
しかし、それを解決できるのがリビングウィルです。
では、「死の迎え方」がテーマである、リビングウィルとはどのようなものでしょうか?
画像出典:estateqa.com
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本人が希望しない医療が実施される危険性がある
現代の医療技術は、回復の見込みが乏しい患者でも、「生かし続ける」ことが可能になっています。
気管切開、人工呼吸器装着、胃瘻増設、補助人工心臓、体外循環装置、またはハイリスクな手術などです。
これらの延命処置、高度先進医療の選択は、本人の意思が確認できないまま家族、医療者の判断で行われることもあります。
しかし、いったん治療を開始すれば、途中で中止することは原則不可能になります。
生命維持装置を停止させることは、死を意味するからです。
自分の意思を表明できないまま生き続けたくない、無駄な闘病で苦しみたくない、と患者本人が思っていっても、これらの治療が開始される前に、その意思を確認できなければ意味がないということです。
では、それらの意思をどのように伝えるのでしょうか?
リビングウィルは法的な事前指示書、「生前の意思」
それらの意志を伝える方法がリビングウィルです。
リビングウィルとは、「生前の意思」です。
人生の終焉で意思表明が出来なくなった時に備えて、家族、医師などに「こうしてほしい」という治療の方向性や、身辺の整理方法を示しておくものです。
例えば、「回復の見込みがない状態で、食べられなくなったときは人工的に栄養を注入しないでほしい」「人工呼吸器をつけるのはやめてほしい」といった内容です。
法的な事前指示書と認識されていますが、遺言書とは違います。
心肺蘇生を希望するか、延命処置を希望するか、葬儀方法、臓器提供するかなど、具体的な死に方を示すことがリビングウィルの内容となります。
リビングウィルと遺言書は異なるということを覚えておきましょう。
画像出典:njlawconnect.com
リビングウィル、文書作成の方法とは
リビングウィルは、文書で示されている必要があります。
文書は、事前指示書、尊厳死宣言書などと呼ばれています。
日本尊厳死協会が示す書式によって作成、司法書士に作成を依頼、公正証書として作成する、等の方法があります。
他には、財産分与等の相続問題とともに専門家に作成を依頼することが多いようです。
ただし、患者が「健康で判断力が確かな時に作成したもの」が有効とされるので留意しておく必要があります。
▶ 次ページへ:患者さんの本当の気持ちを引き出してあげる必要性とは?
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