適応障害という病気を知っていますか?
言葉だけなら知っている方も多いと思いますが、一体どういった病気か詳しく知る方は少ないのではないでしょうか。
そこで、適応障害とはどんな病気なのか?予防法は?治療法は? 分かりやすく説明していきます。
画像出典:newhealthadvisor.com
適応障害ってなに??
適応障害とは
ICD-10(世界保健機構の診断ガイドライン)によれば、適応障害とは
ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態
と定義されています。
わかりやすく言うと、ある環境に対して「適応」することが出来ないことで生まれるストレスが原因となって、身体・精神症状を来たしてしまう「障害」です。
病気と健康の境目にある状態を言った病名です。
画像出典:welt.de
適応障害の特徴
適応障害は症状の原因となるストレスがはっきりしていることが特徴です。
その他の大きな特徴として、症状は6か月を超えないこと、原因となるストレスが取り除かれればすみやかに軽快することが挙げられます。
適応障害のタイプ
適応障害の症状は精神・身体・行動面に現れます。
多彩ですが、いずれの症状も適応障害特有の症状ではありません。
主な症状から6つのタイプに分類されます。
適応障害のタイプ1:不安や抑うつを伴うもの
- ①抑うつ気分を伴うタイプ
- ②不安を伴うタイプ
- ③抑うつと不安を伴うタイプ
抑うつを主症状というと、うつ病が真っ先に浮かびますが、大きな違いは元となるストレスがはっきりしている事です。
適応障害のタイプ2:情緒や行為の障害を伴うもの
- ④行為の障害を伴うタイプ
- ⑤情緒と行為の混同した障害を伴うタイプ
- ⑥特定不能のタイプ
行為の障害とは、規則違反や反社会的行為を言います。
情緒の障害とは気持ちが不安定で生活に支障が出る状態を言います。
似た病気(双極性障害・反社会性パーソナリティ障害等)との区別が必要です。
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