褥瘡は皮膚の一部がただれたり潰瘍ができるだけではなく、真皮や骨にまで達するほど悪化する場合もあります。
一度できてしまうと治癒に時間がかかり心身ともに負担がかかります。
褥瘡に関わる看護ケアについては「予防」と「治療」の観点がありますが、今回は「予防」の視点からお伝えしていきます。
画像出典:bbc.co.uk
褥瘡の原因とは
褥瘡の発生は、運動機能の障害や低下などによって適度に姿勢を変化させることができず、特定の部位を継続して圧迫することによって起こります。
同じ部位が長時間押さえつけられるとその部位の血流が滞ってしまい、十分な栄養や酸素の不足によって皮膚表面だけではなく皮下細胞まで壊死してしまうのです。
加齢によるものだけではなく、脳血管障害や外傷などの後遺症で麻痺があるなど、様々な年齢や状態でも起こりうるものです。
褥瘡発生のリスクとは
褥瘡の発生や悪化には、間接的に影響を与える様々なリスク要因があります。
「全身の状態」からの影響
加齢や栄養状態、基礎疾患や投薬による症状や副作用(むくみなど)といった項目が挙げられます。
「皮膚の状態」からの影響
加齢による皮膚の乾燥や、汗や失禁による衛生面の悪化、摩擦やこすれ、皮膚疾患などの項目があります。
「社会的な原因」からの影響
特に在宅介護での経済的な問題や介護者不足といった社会的な問題が関わってきます。
オムツなどの消耗品は思いのほか費用負担が大きいものです。
また当事者が安楽に過ごせたり介護者が楽に介護できたりするグッズは日々改良販売されていますが、それらを十分に使うためには、やはり経済面の課題があります。
参考記事:osumai-soudan.jp
褥瘡を予防するためにはリスクを把握する
褥瘡を予防するための看護計画を立てる場合には、目の前の患者さんや利用者さんが褥瘡になるリスクをできるだけ排除する方向を考えればよいのです。
そのためには、その方に褥瘡ができるリスク要因をそれぞれアセスメント(評価)する必要があります。
そして、個人の状況に合わせて大きな目標(長期目標)と、長期目標を達成するために段階を踏んでたてるショートステップの目標(短期目標)をたてます。
看護計画の設定には入院時の看護ケアはもちろん、退院後の生活を考慮した看護目標を設定し計画をたてていくことが望ましいでしょう。
その中には他の専門職との連携も含まれてくると思います。
【フィジカルアセスメントを行うポイント】という記事もあるので、是非参考記事してみてください。
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