「訪問看護業界には、ユニークかつ志を持つヒトがたくさんいる。」
そう思うようになって久しいインタビュワーですが、今回のインタビューを通して、やはりその感覚は正しいことを確信しました。
お会いしてみると、何やらただならぬオーラ。
しかしながら、屈託のない満面の笑みを浮かべるまさに「いい人」。
加えて、医師でも看護師でもないが、医療業界に並々ならぬ想いを持っている。
その方の名は、ムラタ カズキ。
医療コンサルを行う『NINO』の代表であり、「最高情熱責任者」です。
記事にてご確認いただきたいのですが、村田さんは非常に優秀な採用コンサルタント。
今回はそんな村田さんの、最高情熱責任者の名に恥じぬ医療に対するアツい想いを紐解いていきたいと思います。
医療コンサル会社『NINO』について
――NINOの事業内容について伺えますでしょうか?
NINOは、医療の世界で「入りたい、入って良かった、紹介したい」を創る会社で、訪問看護ステーションや地域の病院の成長と躍進をプロデュースしています。
NINOでは、「誰が創ったか」よりも「何が出来たか」を重視し、コンサルティングを通して働くスタッフと経営理念を強固に結びつけます。
事業の代表例としては、訪問看護ステーションの経営層の理念や志を翻訳し、ストーリーとして伝染させていくことが挙げられます。
もう少し具体的に言えば、経営層の意思とストーリーを可視化および伝播することで、たとえば下記のような流れを生み出します。
- ・ストーリーテリングの力を通して、「面接」の「採用率」をあげる
- ・社内のスタッフに伝染させ、「定着率」をあげる
- ・社外にも伝染。ダイレクトリクルーティングに紐づける
- ・社内、社外の筋が通ってくると、今度はリファラルリクルーティングを促す
このように、訪問看護業界の「採用」と「定着」を生みやすく、作りやすく、基盤化していく活動を行っています。
幼少期のきっかけ ~看護師さんとの出会い~
――それでは、村田さんご自身について順を追って伺います。そもそも医療に興味を持ったきっかけは何でしょうか?
医療との出逢いのきっかけは、幼少期に大学病院に通院していたことにあります。
私はもともと身体が弱く、検査のために通院を繰り返していました。
検査と検査の間は数時間空く事もザラで、白い壁、アルコールの匂い、無機質な空間…さらに、原因不明の精神的な焦りがつきまとっていました。
当時は、一生懸命に特定しようと奔走してくれる医師に対してさえ、どこか「自分の中にある病気」と向き合うのみで、「自分」という人間には向き合ってくれていないような感覚を抱いていたのを覚えています。
要は、心が滅入ってしまっていたのだと思います。
そんな折、私に目線の高さまで腰を下ろして言葉をかけてくれた看護師さんがいました。
たった一言。
しかしその時、病気にではなくそこにいる「自分」に話しかけてくれたように思ったんです。
同じ目線で届けて下さったその言葉は、私にとっての病院の色を明るく豊かなものに変えてくれました。
今思えば、言葉の内容ではなく、言葉の裏にある「こころ」に動かされたのだと思います。
というのも、看護師さんが病気の原因を特定し、身体的苦痛を和らげてくれたわけではないからです。
なのに、当時の私は「今ある資本を活かしながら頑張ろう」と思えた。
その時点で、その看護師さんが私にとっての「ヒーロー」になったのでした。
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