手術によって胃に穴をあけ、直接胃に栄養を送り込む胃ろう。
在宅でも胃ろうが普及している現状はご存じでしょうか。
人工的に栄養を補給する方法は胃ろう以外にも経鼻栄養・腸ろう・経静脈栄養が挙げられます。
今回は在宅医療における胃ろうについて詳しく解説します。
胃ろうの患者数とその動向
胃ろう患者を削減させる動きがある
胃ろうの是非について、倫理面においてしばしば問題になることがあります。
厚生労働省が示すデータによると、日本での人口100万人当たりにおける胃ろう造設患者は約650人となっており、英国の造設患者のおよそ10倍にあたります。
また平成26年の診療報酬改定では胃ろうの在り方を見直し、造設数の削減、及び嚥下機能の回復、抜去することも推進していく方向性を打ち出しました。
在宅看護において胃ろうは第一選択になることが多い
人工的に栄養を補給する方法は胃ろう以外にも経鼻栄養・腸ろう・経静脈栄養が挙げられます。
経鼻栄養では鼻からチューブを挿入するため比較的簡単に始めることができますが、頻繁にチューブの交換が必要であったり、自己抜去のリスクがあるなど様々なデメリットがあります。
腸ろうは胃ろうよりも制限が多く、栄養もゆっくり注入する必要があるためケアに時間を要します。
経静脈栄養もいわゆる点滴であるため在宅での管理は難しいといえるでしょう。
胃ろうの患者を減らす流れがあるとはいえ、今後も在宅で胃ろう患者をケアする場面が多いことが予想されます。
関連する記事
造設費用だけじゃなくて維持費も?! 胃ろうにかかる費用とは
胃ろうとは、何らかの理由で経口摂取が難しくなった方が胃に穴を開けてチューブを通して直接胃に食事や薬を投与する処置です。胃ろうを造設すると手術の費用だけでなく、その後も管理が必要となり栄養剤にも費用がかかります。今回は胃ろうに関わる費用とは、をテーマに胃ろうにかかる費用の実際についてまとめていきます。
胃ろうのメリット・デメリットとは?胃ろうの手術を行う前に知っておきたい!
胃ろうとはペグとも言われ、胃に穴を開け、カテーテルを通し直接栄養を送りこむものです。今回の記事では、胃ろうの適応やメリット・デメリットについてまとめていきたいと思います。
胃ろう手術後に気を付けるべきことは?ポイントまとめ!
胃ろうとは、内視鏡を使って胃に空けた小さな穴のことを言います。そこで今回は胃ろう増設手術の合併症や術後の観察・管理のポイントについてまとめていきたいと思います。
胃ろう(PEG)とは何か? ~胃ろうの手術についても解説!~
近年、延命を目的とした高齢者の胃ろうの造設の是非への関心が高まっています。今後も高齢化に伴い、胃ろうのニーズは変わらずあることが考えられます。そこで今回は、胃ろうの手術についてまとめていきたいと思います。
体位変換で介助者が褥瘡(じょくそう)を予防するための3つのポイントとは?
褥瘡の原因、なりやすい人、褥瘡予防のポイントなどを整理しました! 日常のケアに関わるため、被介助者さんのQOL向上にダイレクトにアプローチすることが出来ますよ!