日本は年々、高齢化社会が加速しています。
それにともない、看護・介護分野でも、急ピッチにさまざまな対応がなされています。
その中の一つが「オーラル・フレイル」となっています。
今回はオーラル・フレイルの定義から今後の展望までご説明します!
オーラル・フレイルって何?
実はオーラル・フレイルの明確な定義については、未だ定まっておりません。
簡単にいえば「オーラル(oral)=口腔、フレイル(frail)=弱い」という意味合いのもと、高齢者は口腔の筋肉や活力が衰え、歯や口の機能が低下してくることを示しています。
口から食物が上手く摂取できず、嚥下機能が低下し、滑舌が悪くなるといった状態は、高齢者には良く見られる症状です。
しかし、これらの軽い症状を見逃してしまうと、全身状態にも大きく影響してしまい、ときに生命の危機にもつながってきます。
そのため、早期の対応が必要であるといわれています。
オーラル・フレイルの妥当な定義(2017年現在)
- ・加齢にともなう口腔環境として歯の残存数
- ・口腔機能のさまざまな変化
- ・社会的・精神的・身体的に絡めて予備能力の低下
- ・口腔機能障害に対する脆弱性が増加している状態
- ・口腔内の乾燥度合い
などを指し、オーラル・フレイルはまだ新しい用語であり、その明確な定義も定まっておりません。
よって上記で説明したものが、2017年現在の妥当な定義となっているようです。
画像出典:ralhandentistry.ca
オーラル・フレイルを評価する3つの項目
オーラル・フレイルは、まだまだ新しい言葉であり、研究段階の過程です。
しかし、医療の現場では早くから導入されております。
口腔機能の低下は、全身状態にも大きく関係していることを理解し、入院している高齢者にはその都度嚥下機能の評価を行い、口腔ケアを徹底しています。
口腔機能を評価する上で重要なポイントとして、以下3つの項目があります。
年齢を考慮した残存歯数
8020運動を推奨:8020運動とは、80歳で20本以上の歯を保つことです。
オーラル・フレイルに該当するのは20本未満の歯の残存数です。
咬合圧(こうごうあつ)
特殊な器具を用いて咬合圧検査の実施:咬合圧とは、顎の噛む力のことをさします。
20N(約2キログラム)未満がオーラル・フレイルに該当するようです。
嚥下機能
反復唾液嚥下テスト(RSST);唾液を飲み込む行為を30秒間実施します。
30秒間で3回以上が正常であり、それ未満の場合はオーラル・フレイルの疑いがあります。
上記で上げた3つのポイントのほか、年齢や性別、身長、体重、BMIなども大切な評価項目になってきます。
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