オーラル・フレイルをご存知でしょうか。
日本歯科医師会によれば、オーラル・フレイルとは「口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含み、身体の衰え(フレイル)の一つ」となっております。
また、日本歯科医師会によれば「オーラルフレイル」とは、健康と機能障害との中間にあり、可逆的であることが大きな特徴の一つです。
つまり、しっかりと予防をすればより健康的に近づくということです。
今回の記事では、オーラル・フレイルとは何かから始め、オーラル・フレイルの予防法について紹介していきます。
画像出典:getasmile.gr
オーラル・フレイルとは?
先述の通り、日本歯科医師会によれば、オーラル・フレイルとは「口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含み、身体の衰え(フレイル)の一つ」のことを指します。
オーラル・フレイルの始まりは滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増える、口の乾燥等のほんの些細な症状がほとんどです。
このようにほんの些細な症状であるため、オーラル・フレイルであることを見逃しやすく、気が付きにくいという特徴があります。
オーラル・フレイルと健康長寿の関係とは?
健康長寿の視点からいえることは、高齢者の栄養管理は「食の力」を向上させることが重要です。
残存歯数や咀嚼力、嚥下機能、咬合状態は、高齢者にとって最も重要であるといわれています。
また、年齢を重ねていくと、持病のほか複数の疾患を併発していることもあり、毎日服薬している薬から食欲減退へとつながっていることもあります。
ほかにも精神心理面、認知機能の問題、経済的理由なども、オーラル・フレイルを考える上では、とても重要な課題となってきます。
つまり、オーラル・フレイルとは「しっかり咬んでしっかり食べること」という基本的なニュアンスが含まれています。
高齢者のみならず、若い世代から健康長寿を意識して、教育をしていかなければならないのです。
8020運動の推奨
8020運動とは厚生労働省と日本歯科医師会が推進する運動で、「80歳になっても自分の歯を20本以上保つことを目標とする運動」です。
これは私の体感ではありますが、入院している高齢者の方でも、この数値をキープしている人は本当にごくわずかであるように思います。
80代にもなると、総入れ歯をしている方が圧倒的に多いような気がします。
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