オレンジプランとはなにか ~振り返り編~

 

4. 地域での生活を支える介護サービスの構築

 

・認知症の人が可能な限り住み慣れた地域で生活を続けていくために、必要な介護サービスの整備を進める

 

想定される介護サービスの種類は小規模多機能型居住介護などが含まれる在宅サービスと、特定施設入居型生活介護などが含まれる居住系サービスの2種類あります。

 

画像出典:adradcentre.com.au

 

 5. 地域での日常生活・家族の支援の強化

 

・認知症地域支援推進員の人数の増員

 

認知症の人が地域で生活しやすいように、家族も含めて支援を強化します。

認知症地域支援推進員は、市町村ごとに、地域包括支援センター、市町村、認知症疾患医療センターなどに配備されています。

 

目標の推移

平成24年度末見込 175人 → 平成29年度末 700人

参考文献:認知症介護情報ネットワーク「研修情報」

 

・ 認知症サポーターの人数

 

認知症サポーターとは地域において認知症の人が穏やかに生活するための見守りや環境整備に尽力する人たちです。

認知症サポーター養成講座を受講・修了した人は「認知症サポーター」として活動することができます。

 

目標の推移

平成24年度末見込 350万人 → 平成29年度末 600万人

 

・ 市民後見人の育成

 

市民後見人とは、認知症や精神障害などで判断能力が不十分になった人を支援するため、家庭裁判所から選任された地域の一般市民です。本人に代わって、財産管理や介護施設の入居手続などを行います。

支援組織の体制を整備している市町村数を平成24年度見込で40市町村、将来的に、全国すべて約1,700の市町村での体制整備を目指しています。

参考文献:弁護士ドットコム「高齢化社会の新しいサポート役 『市民後見人』とはなにか?」

 

・認知症の人やその家族等に対する支援

 

オレンジプランでは認知症の人やその家族に対する支援として、平成 25 年度以降 「認知症カフェ」(認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場)の普及を掲げています。

参考文献:認知症カフェのあり方と運営に関する調査研究事業 報告書

 

6. 若年性認知症施策の強化

 

・ 若年性認知症支援のハンドブックの作成

 

平成 24 年度から若年性認知症支援 ハンドブックの作成を行っています。

医療機関、市町村窓口等で若年性認知症と診断された人とその家族に配付にされています。

若年性認知症の人の意見交換会開催などの事業実施都道府県数は平成29年度には47全都道府県に拡充する見込みです。

 

juvenile-dementia_handbook

画像出典:dcnet.gr.jp/

参考文献:認知症介護情報ネットワーク「学習支援情報」

 

7. 医療・介護サービスを担う人材の育成

 

・認知症ライフサポートモデル(認知症ケアモデル)の策定

 

認知症ライフサポートモデルとは、医療や介護も含む全ての面を総合した、認知症の人への生活支援のことであり、それぞれの役割を持つ人達が支援の目的や目標を共有します。

平成 24 年度から調査を開始し、平成 25 年度以降認知症ケアに携わる従事者向けの多職種協働研修等に活用されています。

また、7本目の柱では「認知症介護実践リーダー研修」「認知症介護指導者養成研修」の受講を促進しています。

 

 

参考文献:

厚生労働省「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」(平成25年度から29年度までの計画)

高齢者住宅仲介センタースタッフブログ「認知症の基礎知識Vol.34(オレンジプラン【認知症推進5ヵ年計画】とは)」

認知症の窓「認知症対策推進5か年計画(オレンジプラン)」

認知症サポート医ネットワーク「認知症サポート医について」

 

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