「尊厳死」
その響きだけでも大変重みを感じるこの言葉には、「人間本来の安らかな死を迎える」という意味があります。
尊厳とは、尊くおごそかなものであり、犯してはならないものといった意味を持ち、死は我々が認識している通り、命がそこで絶えることを表します。
つまり、この両者を繋げることで、人間が人間らしく尊厳を保ったまま、自然な死を迎えるということを意味します。それが尊厳死です。
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尊厳死の是非を考えるにあたって:目を背けてしまいがちな「死」
重きを置くべきは生だけではない
我々が生活していく上で、そして人生をより充実させるということでの大前提として「生」が挙げられます。
その生の質をさらに向上させようと、私たちは無意識のうちに努力し、今があるのです。
けれど、誰もが必ず行き着くのが「死」であることは免れることが出来ません。
死も私たちの人生の一部という認識を持って、尊厳死への理解を深める必要があるのではないでしょうか。
以前は死について考えることがタブーだった
一昔前は、死というものが一種のタブー視対象になっていたことがありました。
縁起が悪い、生きているということの方が大切だ、という日本人の考え方や年齢、宗教観も関わってくるでしょうから、どちらを取っても良い悪いと判断することは出来ません。
ですが、最近では終活、生前葬などが増えてきたことから、生と同様に死も身近なものであるという考え方が浸透しつつあるように感じます。
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尊厳死が認められるケース
治る見込みがない末期の状態
尊厳死はもう治る見込みがない、または末期の状態である患者さんに、急変などがあった時に適用できます。
延命措置をせず、自然なままの死を受け入れることを希望する、それが尊厳死です。
もちろんその選択は、患者さん本人が心身共に健康で正常な意思や判断力を持っていることが条件であり、
治る見込みがある場合は「尊厳死」とは認められません。
その場合は医師が罪に問われますから、尊厳死を望むということは、我々が人としてしっかりと生と死に向き合う必要があります。
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