日本と海外での尊厳死・安楽死の認識の違い ex.スイスで自殺幇助が許されるワケ

日本では罪になる可能性も?法的に見た安楽死

 

安楽死には二種類あります。

 

  1. 1.致死薬の投与、または胎教により患者をしに至らしめる「積極的安楽死
  2. 2.終末期の患者に対し、ただ死期を延ばすだけの延命をせず、自然と死に至る「消極的安楽死

 

スイスでは1942年から法律で自殺幇助が合法化されており、厳密には安楽死とは呼びませんが、我々から見た積極的安楽死が認められています。

 

*参考記事 Wikipedia 安楽死

 

スイスにおける「安楽死」

 

スイスでは「安楽死を支援する組織も存在し、違法性のないことを証明出来る安楽死のプロセスを確立させた」、とのことです。

安楽死が認められるのは肉体的な病気や障害だけでなく、精神疾患もその対象になることも、日本とは大きな違いではないでしょうか。

スイスで安楽死をする人の中には外国人も含まれているそうで、前述の支援組織の協力のもと、外国人でも可能なのだそうです。

ただ日本人が安楽死を求めてスイスへ行くことは、距離や費用の問題以前に、日本人を取り巻く環境や死生観を考えると、簡単ではなさそうです。

 

*参考記事 Stone Washer’s Journal

 

スイスで自殺幇助が違法とされないのはなぜなのか?

 

日本では、終末期であっても、また回復期にあっても「患者のQOLを向上させる、または低下させない」といった目標を持ちながら医療従事者は日々努力しています。

そんな日本で、「自殺幇助」という言葉を聞いたとき、すぐに関連づける傾向にあるのは「犯罪」という言葉ではないでしょうか。

先に述べたとおり、スイスは自殺幇助を認める世界でもまれな法律を持っている国であり、2011年に行われた「自殺幇助禁止の是非」が問われた住民投票では、住民の85%が禁止に反対するという結果となったそうです。

これには、スイスにおける「自分たちの社会や生活に関わることは、自分たちで決めるといった考え方が根付いていることがうかがえます。

さらに、しっかりとした自己決定権を主張出来るだけでなく、自殺幇助という人生の選択肢があることを、多くのスイス国民が知っていることも日本とは違っているのではないでしょうか。

 

*参考記事 The Asahi Shinbun GLOBE

 

安楽死、尊厳死

画像出典:lifeteen.com

 

日本と海外での尊厳死・安楽死の認識の違いについて〜まとめ〜

 

「人為的な死を認めること」は海外であれ、日本国内であれ、賛成する人もいれば反対する人もいて当然のテーマです。

大切なのは日本の国民が、今広まりつつある「死の選択肢」について考えることではないでしょうか。

自身が不治の病にかかった時、突然延命の必要性が問われる状況におかれた時など、人生の見通しをつけるられる日本人はどれくらいいるのでしょうか。

「死を望む」ことへ様々な意見がありますが、まずは「死」について知り、考え、もっと多くの情報と意見の中で話し合うことから始めるべきかもしれません。

海外とでは文化や価値観も違いますが、広い視野を持って知ろうとする気持ちが必要なのかもしれません。

 

この記事はいかがでしたか?

・週一回なら、まぁ見てもいいかな♪
・わざわざ情報を探すのが面倒・・・
・会員特典がどんなものか気になる

といった方は是非ご登録をお願いします!!

 

下記リンクからの無料会員登録で、

メルマガ受け取り@毎週土曜日

診療報酬改定まとめ資料受け取り

などが可能になります!!

(もちろん、わずらわしい情報は一切お送りしませんよ♪)

 

メルアドだけの簡単登録!

 

会員限定資料の一部を見てみる

 

☆関連お役立ち情報☆
 

尊厳死の認識は合ってる? 尊厳死に賛成反対の主張と一緒にまとめてみました!

【岩本ゆりさんインタビュー第1回】「死」への怖れから看護師へ。意思決定支援スペシャリストの素顔とは。

リビングウィルとは? 尊厳ある死の迎え方を考える、生前の意思を尊重しよう

☆おすすめのまとめ記事☆
 

【訪問看護に係る診療報酬改定2016まとめ】訪問看護に関する改定、まるわかり!

【ホスピス・緩和ケア係る診療報酬改定2016まとめ】緩和ケアに関する改定、まるわかり!

【看護における基礎概念まとめ】看護に迷った時は基礎に立ち返ることが大切です

 

★ここまでで分からない用語はありませんでしたか? そんな方は・・・

 

ビーナース在宅用語集で確認!!

 

関連する記事


尊厳死の問題点 ~法的問題、倫理的問題、「死ぬための権利」の妥当性~

尊厳死は「消極的安楽死」とも呼ばれ、「無意味に死期を伸ばすだけの延命治療を行わないことで、結果的に死に至らしめること」という意味を持ちます。しかし、この尊厳死を是とするに際しては、様々な問題点があります。本記事では、その問題点がどういうものなのか、なぜ「問題」とされているのかについて考えたいと思います。