ダブルケアをしている方は日本でどのくらい?
では、日本でダブルケアをしている人はどのくらいいるのでしょうか、具体的な数値を見ていきましょう。
実はダブルケア全体で約25.3万人いらっしゃいます。
その中で、女性がダブルケアに関わる方は、16.8万人。
そして、男性がダブルケアに関わる方は8.5万人と圧倒的に女性がダブルケアを担っていることが多いのです。
超高齢社会と少子化に伴いますますこの数値は増えていくと思われます。
そして、少子化の影響と、晩婚化の影響で、ますます高齢社会との介護の問題と育児の問題はより深刻化するでしょう。
特に喫緊の課題として、2025年問題にあげられるように、「団塊の世代」が75歳以上の「後期高齢者」に突入します。
約800万人もいらっしゃる方が後期高齢者になることで、それを支える世代も介護や育児、仕事の両立の問題がすぐそこまでやってきています。
また、もう1つの深刻な問題は「合計特殊出生率」です。
合計特殊出生率とは、一人の女性が一生に産む子供の平均数ですが、日本は年々減少しており、2030年頃には一人の女性が産む平均数が1.20人になると予想されます。
このことから、ダブルケアも含めて、社会保障の見直しが緊急な課題と言われています。
画像出典:doktoramcam.com
ダブルケアの背景~フランスを例に~
ダブルケアが深刻化している背景には、働く世代の減少、合計特殊出生率の減少、晩婚化、高齢化など、その背景は複合的です。
特に、人口のバランスに社会保障が追いついていないことが現在のダブルケアを深刻化させていると思われます。
ここで1つの参考になるフランスの事例をご紹介します。
フランスでは出生率は伸びていますが、女性は出産しても仕事を辞める方はほとんどいらっしゃらないそうです。
もちろん日本のようにフランスも合計特殊出生率が減少し苦しんだ時期がありましたが、2011年には合計特殊出生率が2.03まで回復したのです。
その背景には、安心して出産・育児ができる環境整備にあります。
子供が増える度に、手当が増額し育児休暇の手当は母親だけでなく、父親が休暇をとった時でも支給されます。
万が一休暇をとっても、復職した際には元のポジションに戻ることができるので、安心して休暇を取ることができますし、教育の面でも学費は大学まで無料です。
社会全体が、子育ては国の財産であるという認識でサポートしているのです。
このようなサポートのあるおかげで、ダブルケアを食いとめようとする動きがあります。
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