口腔ケアのポイント2:使う道具を検討しよう
嚥下障害のある方にとって、口の中の衛生を保つことはとても大切になります。
歯だけではなく、上あごや頬の内側などに汚れが付くこともあるため、歯ブラシだけではなく、色々な道具が使われています。
口腔ケアによって唾液が多くなる場合には、吸引も同時に可能なブラシや、スポンジでできた柔らかいブラシを使う事もあります。
特に、乾燥している方の場合は、いきなりブラシを入れることで口腔内を傷つけることがありますから、スポンジブラシに保湿剤を含ませて口腔内を湿らせることから始めることもあります。
画像出典:e-artykuly.com.pl
歯ブラシを用いる場合は、固さに注意する
自分で使っていた歯ブラシだから、とケアで使ってみたら口の中が血だらけになった、ということがあります。
自分で自分の歯を磨くときは、微妙な力加減を調整できますが、他者の口の中を触る時には力を入れてしまうことも多いものです。
また、固めの歯ブラシは「磨いた気になる」ということもあり、本人が選んでいた可能性もあります。
歯周病など歯茎の状態でも、適した固さは異なります。
可能であれば、歯科医師や歯科衛生士などに助言を貰うと良いでしょう。
画像出典:tpm-dti.com
口の中だけに注目しない
時間がなく焦っていたり、ひどい汚れを見つけたりすると、つい無理やり取ろうとしたり、口を強く抑えてしまったりしがちです。
上手に痛みを表現できる患者さんばかりではないため、無意識のうちに大きな負担を与えていることもあります。
口の中だけに注目しすぎず、表情や呼吸、力の入り具合を見ながら、時々休憩をとったり、声をかけたりしながら行いましょう。
▶ 次ページへ:嚥下障害に適した口腔ケアを行う際のポイント、まとめ
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