正しい食事方法とは〜食事介助はQOLの向上につながります〜


 

食事は美味しく楽しいこと。

これはいくつになっても変わらない想いだと思います。

ただ、高齢者になってくると、歯が悪くなり咀嚼する度に痛む為、予想以上に食べる行為が難しかったり、どうしてもこぼしてしまい周りの目を気にして楽しく食事をすることができない方々が多いです。

高齢者が可能な限り自分で食事をし、「食べる喜びを保つ」ための食事介助をご紹介します。

 

食事介助、QOL

画像出典:moranelderlaw.com

 

 

 利用者の状態把握と食事介護方法の選択

 

(1)介助における「食前」の確認事項

 

事前に身体、精神、環境などの利用者が置かれている現状を十分把握し、そのうえで利用者に適した介助方法が必要です。

以下の確認を行い、食欲減退や事故につながる原因をあらかじめ取り除いておきます

 

  • ●便秘・便意や尿意の有無
  • ●体の痛み、痒みなど苦痛の有無
  • ●口腔内の炎症や虫歯の有無
  • ●間食の有無
  • ●誤飲の危険性の有無
  • ●上肢の機能障害の有無と状態
  • ●食べ物の温度や味付け・栄養バランス・盛り付け・咀嚼能力に適した調理法
  • ●食事環境(悪臭の有無・清潔さ・団らん状況など)

 

(2)介助における「食事中」の確認事項

 

食事介助は、寝たきりの人でも、安静の必要がない限りは座位を保った姿勢で可能な限り自分で食べることが必要です。

食べこぼしや時間がかかっても自分で食事をする意欲と楽しみを尊重し、あまり手を出さずに以下の項目を見守る介助を心がけましょう

 

  • ●嗜好への配慮
  • ●箸やスプーンなどの自助具や福祉用具は適切か
  • ●食べる量は適切か
  • ●食べる速さは適切か

 

(3)介助における「食後」の確認事項

 

食事の残量が多い場合は、「心身機能」の確認のほか、食事量調理内容介助方法などについても再確認していきましょう。

 

「elderly eating」の画像検索結果

画像出典:media04.meinbezirk.at

 

形態別の食事介護方法

 

(1)片麻痺のある利用者

 

片麻痺がある場合は利用者によって稼働の範囲が異なるので、まずは稼働範囲を確認します。

生体機能を十分に確認したうえで、個々に合わせた食事介助を行うことが大切です。

もし利き手が麻痺の場合は、利き手でない反対の手を使うことになるので、麻痺のある手は補助的な役割を担います。

たとえ麻痺があってもできることはないか考えることが大切です。

 

(2)嚥下障害のある利用者

 

嚥下障害がある場合は、食事中の誤嚥によって、嚥下性肺炎になりやすく、窒息などの危険性もあります

食事介助時は十分注意しましょう。

誤嚥の予防として、ゼラチンタイプの食品など嚥下しやすいものを選んだり、肉・野菜・魚などはやわらかく調理するなど工夫していきます。

 

(3)痴呆のある利用者

 

痴呆がある利用者の食事介助では、食べたことを忘れる・過食などへの対応が必要です。

食べたことを忘れる場合は、決して否定しないで、ほかに気が紛れることをしたり、「今準備中ですので待ってくださいね」などと話したり、上手に話題を変えていきましょう。

過食の場合は、1回の食事量を減らしたり、低カロリーのものを多めにして回数を増やすなどの工夫が必要です。

また、誤って異物を食べないように、手の届く範囲には危険なものを置かないようにしましょう。
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