訪問看護師であることに喜びを感じたエピソード
訪問看護だから感じられた。「その人らしい生」をサポートできる喜び
その人らしく生き切るためにはどうしたら良いのかを考えるにあたって、どこで最期を迎えるのかというのはとても大切なことです。
ある時、御両親を訪問看護にてサポートさせていただいたことがありました。
最初にお父様を自宅で看取ることになるのですが、お父様は80歳になられてもスポーツクラブに通い、バイクにも乗られているほどお元気な方でした。
しかし、突如交通事故にあい、脳挫傷が原因で寝たきりの生活になられました。
何度退院の準備をしても、すぐに状態が悪化して見送りとなってしまいます。
誰しも「このまま自宅に戻られることがないかもしれない・・・」と思っていましたが、なんとか退院することができました。
しかし、、、退院して1週間後に訪問看護で訪問した際に呼吸が止まっており、亡くなられました。
ご家族が大変悲しまれると想像していた私は、足取り重くご家族にご説明に向かいました。
すると、私にとっては驚くような反応が。
たしかに、奥様も娘さんもびっくりはされましたが、家で最期を看取れたことに大変満足されていたのです。
説明に向かうまでは、「何度状態が悪くなってもなんとか踏ん張ってこられたのに、たった1週間しか家で過ごせなかったことでなにか問題があったのではないか」と思ったりしていたのですが、お父様はどうしても家で最期を迎えたかったのだそう。
「家に帰るまでは死ねない。」
お父様の強い気持ちが病院での回復につながったのでした。
家族の不安を軽減できる喜び
さて、お父様の死去後5年の月日が流れました。
その時、今度は同じご家族のお母様が小腸ガンの末期状態となられたのです。
そして、「お父様のように自宅で看取りたい」と希望され、私たちの事務所を指名していただきました。
もちろん、再度指名していただいたことにも喜びを感じました。
しかし何より嬉しかったのは、訪問して間もないころはやはり不安そうで落ち込み気味だったご家族が、「看取り」の心構えを持つようになっていったこと。
それから、時間が経つにつれ、病状が進んでいるはずのお母さまが心なしか「元気」になっているように見受けられた時でした。
夜間、日曜日問わず、不安な時には連絡をもらって訪問させていただいて、寄り添うことができました。
最期を迎える時にも寄り添うことができ、訪問看護師としてこれ以上ない充足感がありました。
さらには、お母様のお葬式に参列させていただいた際には、ご遺族の挨拶でわざわざステーションの名前を入れて頂き、「私たちの訪問看護があったから不安なく、看取ることができた」とまで仰っていただけたのです。
これは、本当に私が訪問看護師で良かったと思える瞬間でした。
画像出典:vnhc.com
訪問看護師であることに喜びを感じた瞬間 まとめ
訪問看護師は、病棟看護師より最期に携わることが多くあります。
患者さんの死をなかなか受け止めることができないこともあります。
しかし、しっかりと生き切ることができた患者さんに寄り添えた時に、虚しさではなく、「良かった」と思えるのです。
私は、これこそが訪問看護をする喜びだと思っています。
訪問看護師、とってもステキなお仕事ですね♪
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