『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第4回:ホスピスケアにおける癌

 

ホスピス緩和ケアが広がった背景とは?

 

ホスピス緩和ケア病棟届けの推移

 

がんに伴う苦痛は、適切に治療しなければ生きる力を失わせてしまうものです。

これまで、そうした方への処置としては、延命ないしは治療の選択肢がとられてきました。

しかし、昔とは違い、医学の発達によって苦痛を和らげるたくさんの方法が見つかっています

各診療科の医師は「がんに対する治療」を専門に行いますが、苦痛を充分にとりきれないことがあるため、主治医に加えて、苦痛緩和や精神的支援を専門とする医師、看護師、薬剤師、 リハビリテーションスタッフなどが「緩和ケアチーム」として緩和ケアに関する診療を行う活動が始まりました。

「緩和ケア」は日本では2002年から保険診療の対象になり、全国で広がりつつあります。(※下図参照)

 

緩和ケア病棟 推移

出典:産経新聞「『延命』から『痛みの緩和』へ 変わる終末期医療のあり方」(2015年1月27日)

 

ホスピス(緩和ケア病棟)の対象者とは?

 

一般的には、がんを治すことや生存期間を延ばすことを目標とした、治療が困難となった患者さんあるいはそのような治療を望まない患者さんで、がんに伴う苦痛の症状を外来通院や在宅でコントロールすることが困難な場合には、緩和ケア病棟に入院したほうが良いとされています(参考・引用)。

ただし、厚生大臣または都道府県知事から緩和ケア病棟の認可を受けているホスピス(緩和ケア病棟)で入院できるのは、余命が推定六か月以内のがん患者、またはエイズ患者に限られます
そこではほかの難病による末期患者は対象外となります。

一方、緩和ケア病棟の認可を受けていないホスピスでも対象はがん患者が多いのですが、末期であれば病名ががんでなくても受け入れているところがあります。

つまり、ホスピスの入院基準は一様ではなく、そのほかの条件はホスピスによって異なるということを意味しています。

ホスピス・緩和ケア病棟に入院したい場合には、まずは各医療機関の「緩和ケア病棟」相談窓口に連絡してみるとよいでしょう。

 

画像出典:nursesforsafeaccess.org

 

『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第4回:ホスピスケアにおける癌 まとめ

 

ホスピス緩和ケアは、QOL向上のための方法である

これが、今回の主旨でした。

そして、「昔とは違い、医学の発達によって苦痛を和らげるたくさんの方法が見つかっている」ことから、緩和ケアが現在広がりをみせつつあるというのが、現状です。

高齢化社会を迎える日本、そして「癌大国」の日本において、ホスピス緩和ケアは絶対的に必要と言えます。

是非この機にホスピスの知識を蓄えておきたいものですね。

 

次回は、ホスピスで行われる治療について具体的に述べていきます!

 

【PR】
看護師の転職を考えている方は
こちらがオススメです♪

 

この記事はいかがでしたか?

・週一回なら、まぁ見てもいいかな♪
・わざわざ情報を探すのが面倒・・・
・会員特典がどんなものか気になる

といった方は是非ご登録をお願いします!!

 

下記リンクからの無料会員登録で、

メルマガ受け取り@毎週土曜日

診療報酬改定まとめ資料受け取り

などが可能になります!!

(もちろん、わずらわしい情報は一切お送りしませんよ♪)

 

メルアドだけの簡単登録!

 

会員限定資料の一部を見てみる

☆関連お役立ち情報☆
 

『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第1回:日本人にとっての癌

『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第2回:癌の原因と特徴

『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第3回:癌の三大治療法

☆おすすめのまとめ記事☆
 

【看護師スキルアップ術まとめ20選】3種の看護スキルでQOLを最大化!

【ホスピス・緩和ケア係る診療報酬改定2016まとめ】緩和ケアに関する改定、まるわかり!

【看護における基礎概念まとめ】看護に迷った時は基礎に立ち返ることが大切です

 

★ここまでで分からない用語はありませんでしたか? そんな方は・・・

 

ビーナース在宅用語集で確認!!

 

 

関連する記事


困りごととキーワードが合致していないことの怖さ【がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー2】

がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー第2回です。第1回では、賢見さんがNPO法人で行っている「社会的苦痛」へのアプローチについて詳しく伺うことが出来ました。今回は賢見さんの「過去」を徐々に紐解いていく内容となっています。

矢印は、自分でもロールモデルでもなく目標に向けるもの【がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー3】

がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー第3回(最終回)です! 今回は、NPO法人代表として、いち看護師として、そして男性看護師の一人としての賢見さんのご意見を伺いました。特に「男性看護師であること」に対するご所見は必見の内容です!

【緩和ケアに係る診療報酬改定2016】地域がん診療病院・小児がん拠点病院の評価(用語説明付)

平成28年度(2016年)の診療報酬改定では、在宅領域(在宅医療・訪問看護・(ホスピス)緩和ケア・看取り)に関わる制度改定が多数行われました。今回は、中でも「(ホスピス)緩和ケア」に関わる改定項目(「地域がん診療病院・小児がん拠点病院の評価」)を、用語解説を含めてご説明します!