前回、緩和ケアでは医療行為も行うこと、そしてホスピスが単に死を迎える場所ではないことをご説明しました。
そこで今回は、ホスピスから在宅ホスピスケアへの切り替えにフォーカスしたいと思います。
今後、在宅への切り替えは必然です。この機会に、ぜひ基礎知識に触れておきましょう!
【PR】
看護師さんで転職を考えている方は
こちらがオススメです♪
『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎』シリーズの目次
第6回 ホスピスの癌ケア2
入院から在宅ケアへの切り替え
ホスピス(緩和ケア病棟)では、痛みのコントロールなどにより症状が緩和されて、元気を回復することがあります。
この場合、前述のとおり症状が緩和されて退院する人もあれば、退院はむりでも、ホスピスではなく一般病棟に移るというケースもあります。
もともと、ホスピスのベッド数は限られています。
また、緩和ケア病棟の認可を受けている場合は、入院の条件に余命が推定6力月以内と短いことという一項があり、回復の認められる患者さんに長くホスピスにいてもらうわけにはいかないのです。
なお、退院または一般病陳へ移ったあと、病状が再び悪化したらホスピスヘ帰れるようになっていることは、いうまでもありません。
あるホスピスの例
入院患者の約25%が症状コントロールができて在宅ケアにきりかえられているという例があります。
症状が改善されれば、外泊も退院も可能で、退院後ホスピス外来に通院したり、在宅電話サービスを利用して、気軽に相談ができるようになっているところもあります。
在宅ケアのカタチ
在宅ケアは、すべてのホスピス(緩和ケア病棟)が行っているわけではありませんが、システムができているところであれば、もちろん在宅のみのケアも可能です。
また、実施しているところも、その対象は、ホスピスから症状が緩和して退院した人などに限定しているところが大半です。
一方、ホスピスという施設をもたないで、在宅ホスピスケアや訪問看護を専門に行っているところがいくつかあります。
ここは会員制になっており、かつ、距離的にそう遠くない一定の地域に住んでいる人でないとケアを受けられないという制約があります。
一般的傾向として、可能であれば在宅で最期を迎えたい・看取りたい、という希望が強くなってきています。
政府もこれを支援する意向と計画を示していますので、今後、在宅ケアヘの動きが盛んになるものと思われます。
なお、アメリカのホスピスは在宅でのケアが中心となっています。
【PR】
看護師さんで転職を考えている方は
こちらがオススメです♪
関連する記事
【緩和ケアに係る診療報酬改定2016】地域がん診療病院・小児がん拠点病院の評価(用語説明付)
平成28年度(2016年)の診療報酬改定では、在宅領域(在宅医療・訪問看護・(ホスピス)緩和ケア・看取り)に関わる制度改定が多数行われました。今回は、中でも「(ホスピス)緩和ケア」に関わる改定項目(「地域がん診療病院・小児がん拠点病院の評価」)を、用語解説を含めてご説明します!
【ホスピス・緩和ケア係る診療報酬改定2016まとめ】緩和ケアに関する改定、まるわかり!
ビーナースでは、2016年度(平成28年度)の診療報酬改定項目、特に「在宅医療・看護領域」に関わる項目を順に解説・整理しております。今回は、中でも「緩和ケア」に係る診療報酬改定項目をまとめてご案内いたします!
『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎』 第5回:ホスピスの癌ケア1
今回は、具体的にホスピス緩和ケアがどういうものなのか、どういった治療を行うのかといった点に触れていきます。
『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第4回:ホスピスケアにおける癌
今回は、「ホスピスとはどのような場所か」についてご説明したのち、「ホスピスがどのような患者さんを受け入れるのか」というところについてご説明いたします
『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第3回:癌の三大治療法
癌の治療法としては、どういったものがあるのでしょうか? 今回は、「癌の三大治療法」について解説していきます。