『在宅医療・ホスピスのイロハ』 ~第1回:概要~


 

Tomorrow is often the busiest day of the week.
「明日が一番忙しい日かもしれない」

 

突然ですが、この格言をご存知でしょうか?

これはスペインの諺(ことわざ)で、「問題の先送り」を戒めるためのものです。

つまり、「明日が週で(あるいはもっと長い期間で)一番あなたにとって忙しくなるかもしれないのに、目の前の課題を先送りしてよいのか?」という問いかけをしています。

この問いかけによって、「今日の行動の見直し」を促すというわけです。

 

実は、この「先送り」が日本の医療に関する議論でも起きているのではないでしょうか?

 

問題

画像出典:forfreeworld2020.blog.jp

 

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日本の医療に関する議論に見られる問題

 

さて、昨今の日本の新聞・テレビ報道等での「医療」に関する議論では、「超高齢化社会を迎える!」「医療費が高騰する!」などのフレーズが飛び交っています。

ここでは、まずその事実関係を簡単に確認したうえで、後にそれにまつわる議論に見られる問題点を考えてみます。

 

日本の医療に関する議論の事実関係の確認

 

既述の通り、日本の一般的な議論では、「超高齢化社会」と「医療費」が取り上げられることが多く、医療関連の2大テーマと言えるでしょう。

この点、厚生労働省の資料によれば、65歳以上の高齢者数は2025年には3,657万人となり、2042年にはピークを迎える予測(3,878万人)がされています。

また、75歳以上高齢者数も増加していき、2025年には2000万人を超え、更に2055年には全人口に占める割合は25%(4人に1人!)を超える見込みです。(※1)

さらに、医療費についても、同様に厚労省の資料に基づくと、下図のように年々伸びているという現状があります。(※2)

 

22年度 23年度 24年度 25年度 26年度
医療費(兆円) 36.6 37.8 38.4 39.3 40.0
医療費の伸び率(%) 3.9 3.1 1.7 2.2 1.8
1日当たり医療費の伸び率(%) 3.8 3.2 2.6 3.1 2.1

(※1)厚生労働省資料
(※2)厚生労働省プレスリリース

 

図1.高齢化の進展について(他国との比較)

画像出典:soumu.go.jp

 

図2. 国民医療費の増大・高齢者医療費の増大について

画像出典:soumu.go.jp

 

日本の医療に関する議論の問題点

 

さて、ここからが本題です。

上記の「事実」は確かなものであり、間違いなく重要ですが、これらは議論の前提となる事実関係の”確認“にすぎません。

重要なのは、これらを前提として、どのような具体的な議論を積み上げられるかです。

 

しかし、これらから派生する多くの議論は、「数字のインパクト」に囚(とら)われ過ぎているような気がしてなりません。

たとえば、テレビ番組を見ていると、医療についての具体的な議論を期待していたはずなのに、なぜか「医療費が○兆円」という数字にとらわれ、経済の話に移ってしまうということはよくあることです。(もちろん、経済と切り離すことは出来ないですが)

 

このような的を絞らない議論を重ねてしまうと、「どういった問題が起こり得るか?」という「不安感”だけ”」が、ある種の誇張や憶測を含みながら拡散しやすくなってしまいます。
(たとえば、「医療費が高騰すると財政破たんし、結果として医療が崩壊する」といった憶測のことです)

そして、このような「人目を引く」ような議論が流行ってしまうと、「医療」の問題として本来重要な”はず”の、「在宅医療」や「ホスピス」に関する議論が狭き業界内の議論にとどまってしまい、社会的議論としては不十分なものに終わってしまう可能性が非常に高いのです。

 

実際に多くの方は、「在宅医療」や「ホスピス」といった言葉は、目にはしたことがあるものの、そこまで深くは知らないのではないでしょうか?

もしそうだとすれば、いざ具体的な課題に直面した時に、その場しのぎの議論しかできなくなってしまうのではないでしょうか?

これが、筆者が考える、日本の医療に関する議論における一番の問題点です。

 

日本の医療

 

 

『在宅医療・ホスピスのイロハ』の意義

 

では、どうしてこのような問題が起きうるのでしょうか?
それも、冷静に考えてみるとごくごく当たり前の結論に至ります。

 

最低限の知識の必要性

 

どの分野においてもそうですが、社会的に議論を活性化していくためには、その前提として最低限の知識が必要になります。

しかし、私たちは医療に関する十分な、いや、議論に参加できる最低限の知識を持っているでしょうか?

たとえば「高齢化社会」という”世界”が抱える超難問について軽々に意見を述べてもよいのでしょうか?

 

医療業界に属しているか否かに関わらず、この問題は非常に重大であると思うのです。

しかし、ネットにはまだまだ在宅医療やホスピスといったトピックがまとめられているメディアは存在しません

 

このような経緯により、在宅医療・ホスピスに関する基本的な知識を幅広く得ることが出来るメディアが必要だとの考えに至りました。

つまり、この『Be Nurse』のシリーズ記事を通して、在宅医療やホスピスといった、間違いなくこれからホットになるトピックの知識をある程度つけておくことは、非常に有意義なものであるということです。

そして何より、もはや他人事ではなく、自分の親や自分自身が近いうちに在宅医療やホスピスといったサービスの当事者になるかもしれません

特に医療従事者の方に関しては、サービス提供者として、患者さんへ分かりやすく説明するための参考資料、
あるいは、考えを整理する際の道具として、この『Be Nurse』を利用して頂ければ幸いです。

 

まとめ ~『在宅医療・ホスピスのイロハ』の目次~

 

さて、本シリーズでは、在宅医療およびホスピスに焦点を当ててご説明するわけですが、第1回となる今回は、全6回の目次をお示しすることで、「まとめ」としたいと思います。

 

第1回 『在宅医療・ホスピスのイロハ』について ←今回はココ

第2回 在宅医療とは?(1)

第3回 在宅医療とは?(2)

第4回 ホスピスとは?

第5回 在宅医療・ホスピスに関する近年の行政の動き(1)

第6回 在宅医療・ホスピスに関する近年の行政の動き(2)

第7回 今後の在宅医療・ホスピス業界の課題

第8回 シリーズまとめ ~在宅医療・ホスピス業界に必要なこと~

 

本シリーズの全体構成は、上記のような形となっております。

第1回から順番に読み進めてもいいですし、関心が強いところから読み始めても構いません。

読者の皆様に有益でわかりやすい情報を提供できるよう努めて参りますので、是非ご覧になってください。

 

次回以降は、いよいよ各論のスタートです!

この『在宅医療・ホスピスのイロハ』というシリーズを通して、今後の社会において必要となる実用的な知識を身につけましょう!

 

第2回へ続く

 

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