ホスピス:患者さんの苦痛を和らげること。施設で過ごすのか在宅で過ごすのか2種類ある
ホスピスとは緩和ケアやターミナルケアを含めた、精神的・身体的苦痛を伴う病気に際し、その苦痛を和らげることと言えます。
ケアを受ける場所としては自宅でケアを受ける在宅ホスピスと、専門病棟でケアを受ける施設ホスピスの2種類があります。
画像出典:fthmb.tqn.com
2.在宅ホスピスの需要が高まるきっかけ
現在、日本では年間約100万人の人が三大疾病であるがんにり患し、約30万人の人が命を落としています。
それと同時に、医療の発達によって、自宅ではなく、病院や緩和ケア病棟など「専門の施設」で最期の時を迎える人が年々増加しています。
一方で、昨今では終末期医療に対する医療の在り方について疑問を抱く声も上がってきています。
例えば、治癒の見込みがないのに抗がん剤治療が行われたり、放射線治療が行われたりという事例もあります。
最期は、自宅で家族に看取られながらゆっくり過ごしたい。
そのような需要に応えて生まれたのが在宅ホスピスというケアです。
実際に、終末期の療養場所について、60%以上の国民が「自宅で療養したい」と回答しています。
終末期医療自体の需要が急増し、緩和ケアステーションの数も年々増えています。
しかし、施設ホスピスのみでは患者さんのニーズに応えきれていない現状があります。
したがって国民の需要の高まりとともに、施設ホスピスだけではなく在宅ホスピスとして働く看護師の募集も急増しています。
いま引く手あまたの在宅ホスピスとして働くのは、一つの選択肢としてありうるかもしれません。
次項では、実際に在宅ホスピスで働くことのメリットを挙げてみましょう。
※参考文献
・厚生労働省 在宅医療・介護あんしん2012
・ガン統計「2016年のガン統計予測」
・Dr.カズの町医者日記「がん拠点病院の終末期医療は本当にひどい」
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