NINO・村田代表が思う、「理想の看護師」とは?
――これまで何度か触れてきましたが、村田さんの中で「理想の看護師」像はありますか?
自分の笑顔をおすそ分けできる人だと思っています。
つまり、笑顔を作ることに終始するのではなく、「自分が楽しいから相手も笑っちゃう」といった看護師が自分の中では理想です。
「いい」ってなんだろうと考えた時、ケアする側のQOLって、ケアを受ける側のQOLに影響があると思うんです。
多くの看護師さんは、プロとしてマスクをつけ、アイメイクをバッチリして、睡眠不足、疲れが溜まっていることに気づかれないように装うことができます。
それはすごいことなのですが、本当に純粋な人、特に認知症の方などはそうなのですが、手の感じや空気感からその人の風潮が伝わってしまうんです。
結果、心配をかけてしまい、遠慮を呼ぶことになっていきます。
したがって、本当に「いい看護師」になるためには、体や心、環境といった全人的な部分のバランスを整えていかなければならないと思っています。
それでないと、自分の能力を最大化するのは難しいのではないかと思います。
――では、看護師自身のQOLを向上するためには何が必要でしょうか?
健康であること、もっと言えば、自分自身を深く知ることだと思います。
看護師さんは、評価する人によって、「できる・できない」が分かれてしまいがちです。
定義が曖昧な存在であるがゆえに、まず自分自身が看護師としてどういう看護観を手にしたいのかという軸に気づきにくい。
しかし、そこに気づかない限りは、どの職場に行っても他人の目に左右されてしまいます。
したがって、まず自分自身をしっかり知ることが重要だと思います。
たとえば、素晴らしい環境があり、患者さんが喜んでくれた、みんなに褒められたから頑張ろうと思い、徹夜したとします。そうして徹夜を続けていると、体が追いつかなくなる。
結果、ミスが増え、段々と「私なんでこんなできないんだろう」と心も引っ張られていってしまう。
このような情景は容易に想像することができます。
つまり、環境が良かったとしても、心と体のバランスが取れてないと全部一気に引っ張られていってしまうということです。
したがって、人生のバランス感覚を身に付けることこそが、看護師さんにとって重要なことのように思います。
――個人的には、自分を知りバランスを取るためには、まずは自分と人の違いを知ること、特に他人との会話を通して知ることが非常に重要かと思いますが、いかがでしょうか?
私もそれは非常に重要だと思っています。
アウトプットとインプットを繰り返すというのは、自分の中で滞ってるものを循環させることです。
たとえば、流れる水は腐らないのと同じで、常に考えや気持ちを流し続けていれば、自然と新しい空気は入ってきます。
ただ、バランスを知るというのは、もっと「当たり前を知る」ことだと思っています。
たとえば病気や怪我をしたとき、自分が五体満足であることを幸せに感じるはず。
しかし、忙しかったり、疲れてたりすると、それすらありがたみを感じなくなってしまう。
自己啓発的な言い方はあまり好きではありませんが、当たり前なことに感謝できるゆとりを生むための手段を持っておくのは本当に大事だと思います。
ヨガをやったり、人としゃべったり、飲み会に参加したりと色々ありますが、突き詰めてくと、その人自身の自己認識力をどう上げていくかの手段でしかない。
目的は、自立した考えや行動ができるようになることであり、自分に軸を持ち、看護師としてぶれないことです。
「利用者さんや患者さんのため」を考えながらも、まずはしっかりと自分の「健康」を第1に考え、自分が「健康」な状態でケアをすることが、「相手のため」を最大化するための前提条件だというのを知ってほしい。
また、自分の解釈でそれを定義づけられるようになるにはいろんな方法があるということを是非知って欲しいと思っています。
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