「リハビリの先生」というと理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の方が身近かもしれません。
でも、実はもう1職種。
言語聴覚士(ST:エスティ―)と呼ばれる職種があります。
では、言語聴覚士(ST)に為るためにどうすればよいか、また実際にどのような仕事を行なうのかを紹介していきますね。
本記事の目次
言語聴覚士(ST)の資格について
言語聴覚士の受験資格は養成校に通うことが必要
言語聴覚士は専門学校や大学・大学院などに通い卒業することで受験資格が得られます。
言語聴覚士の国家試験の合格率は70%前後
言語聴覚士(ST)は、平成11年より国家資格になりました。
国家資格になったことで、採用も有資格者も増加しましたが、まだまだ知られていない職種です。
年に一度国家試験が行われ合格率は70%前後です。
国内の有資格者は約2万7千人
2016年現在で有資格者は約2万7千人います。(言語聴覚士協会HP)
言語聴覚士の仕事内容は?
業務は、ことばやコミュニケーションの障害全般に関わる
たとえば、脳の言葉を操る場所を障害されると「聞く」「話す」「読む」「書く」といった機能が障害される「失語症」になったり、顔面や舌などの麻痺によって発音が不明瞭になる「構音障害」になったりします。
脳血管障害だけではなく、聴覚障害や口蓋裂、知的障害、発達障害、吃音など、ことばやコミュニケーションの難しさを持つ方が対象になります。
さらに、、、食べる障害「嚥下障害」にも関わっている
脳血管障害や、加齢によって、飲み込む力(嚥下機能)が障害されたり低下したりします。
飲み込みがうまくできず、食べ物が気管に入り咳などでうまく除去できないと、肺炎になり命を落とすこともあります。
言語聴覚士(ST)は「食べる機能」を評価し、必要なリハビリや、現段階で安全に食べられる食形態を検討します。
心理的にも支えている
「聴こえない」「伝わらない」「食べられない」ということは、人間にとってすごくストレスがかかります。
言語聴覚士(ST)は機能の改善だけではなく、心の面でも支えています。
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