看護管理者の役割と課題について ~役職ごとに整理してみました♪~

 

看護管理者とは、一般的に、看護部長、副看護部長、看護師長、副看護師長、主任などの「役職者」のことをいいますが、その役割とはどのようなものなのでしょうか。

看護管理者の役割とその課題についてまとめてみたいと思います。

 

看護管理者、役割、課題

画像出典:ecpi.edu

 

看護管理とは?

 

看護管理とは、Nursing Administrationと呼ばれ、看護分野における一つの学問です。

看護管理の定義は下記の通りです。

 

人々がその健康やQOLを維持向上していくことを目的として、多様な資源を用いて効果的・効率的・想像的に看護実践を行うことであり、またそうした看護実践が組織的に行われるよう環境を整え、看護者を支援していくこと

 

また、看護管理があってはじめて質の高い看護実践が生まれるといわれています。

簡単にいえば、患者さんの安全、安心、安楽な生活をサポートし、質の高い看護実践をするために、環境を整え、様々な調整をし、看護職員の教育、指導など看護実践における総合的な「マネジメント」をすることです。

それでは、看護管理の役割を見ていきたいと思います。

※より詳しく看護管理について知りたい方はこちらへ→看護管理とは?~意味、役割、そして認定看護管理者~

 

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画像出典:alanaiah.com

 

看護管理の役割

 

上述したとおり、看護管理は看護管理者が行う看護実践のマネジメントですが、役職に応じてその内容は違います

看護部長、副看護部長、看護師長、副看護師長、主任と看護部の組織にも多くの役職があります。

それぞれ具体的にどういった役割があるのか、見ていきましょう!

 

「nursing leadership and management」の画像検索結果

画像出典:.americansentinel.edu

 

看護部長

 

看護部長は看護部全体の計画や看護業務が安全に効率的に実施できるように計画し、看護部全体へ指示をします。

また病院の運営、経営への参画、看護部の代表として対外的な交渉などを行います。

 

副看護部長

 

副看護部長は看護部長のサポートを行います。

そのサポートの内容は様々ですが、複数名副看護部長が配置されている施設では、教育、医療安全管理、業務などの各分野で管理内容を分担し、看護部長がそれを総括するというやり方をしている施設もあります。

 

看護師長

 

看護師長は現場における責任者として、質の高い看護実践をするための現場の監督、指揮、指導、評価、教育、安全管理、職員の健康管理などに加えて、物品や備品などの管理、看護部の目標や、病院の目標の達成を目指し、マネジメントしていくことが主な役割となります。

現場で起こる様々な問題の初期対応や問題点の改善など、日々の現場管理に加え、看護部の方針に沿った方向へ看護職員を導く役割もあります。

 

副看護師長

 

副看護師長は看護師長のサポートを行うことが主な役割です。

看護師長が不在時は代行として、また主任や教育担当者、新人看護師のサポートも大切な役割であるといえるでしょう。

副看護師長が配置されていない施設もあり、主任が副看護師長の役割を兼ねる場合もあります。

 

主任

 

主任は看護職員、新人看護師のサポートや指導を行うことが主な役割です。

現場において、看護職員に最も近い場所にいる管理職でもあり、また患者さんにも最も近い看護管理職といえるのではないでしょうか。

チームナーシングを実施している施設においては、チームリーダーとしての役割を持っている場合もありますが、リーダーをサポートしながら教育していくことも大きな役割といえるでしょう。

 

 

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