1. 看護目標はアセスメントによって導き出される ~「P」は全てのおおもと~
何事も計画が重要。評価の前に大切になるのが、目標の立て方です。
目標は、「達成できたか/できなかったか」を明確にするためのものですから、評価を考える際に、まずは目標の妥当性を丁寧に考えることが非常に重要です。
その点、看護の目標というのは、患者さんの状態、本人の性格、家族背景などを含めた「総合的なアセスメント(見立て)」を行うことで導きだされるもの。
同じ病気であっても、いくつもの要因が相互に絡まりあうため、患者さん一人一人によって目標は異なってきます。
その患者さんにとっての「食べる」「立つ」という動作はどのような意味を持っているのか、そのために具体的に何が必要なのか。。。
考えるべきことは山のようにあります。
そのように突き詰めて考えることで看護目標を的確に構築し、具体的なケア方法が導き出されれば、より良い看護計画が立てられますし、チェックすべきポイントも明確になるはずです。
画像出典:aimu.us
2. 一見同じケアであっても目標が違えば異なる意味をもつ! ~「D」の多元的な意味~
上記の目標の立て方とも通じますが、同じようなケアを行っていても、目標が違えば異なる意味を持ちます。
たとえば、「感染予防」と「自立を促す」という2つの目標に対して、清潔ケアの実施という方法をあげたとします。
行う内容は「清潔ケア」と一括りにしていますが、目標が異なりますから実際にはより具体的なケア内容の実践が必要になるでしょう。
仮に感染予防の視点であれば、1日に何回行うのか、どういった方法で行うのかなどに具体化されます。
一方、自立を促す場合は、ケアの中で本人にどの程度協力してもらうのか、などもケア内容に含まれてきます。
このように、立てた目標を達成するために、どのような段階を踏むかの「作戦をたてる」のが看護計画なのです。
3. 評価の視点は、看護目標が基準になる ~「P」に基づく「C」~
看護計画における評価は、たてた目標に対して行ったケアが効果的であったかどうかということを判定することです。
つまり目標に到達できたか、あるいは目標に近づくことができたかを確認し、何故できたのか、何故できなかったのかを見直すことで、良いケアであったのか見直しが必要なのかを検討していくのです。
この過程を経ることが、さらなる患者さんの改善を次の段階へ促したり、安心安楽した状況を維持したりということに繋がります。
ポイントはなんといっても看護目標を基準とすること。
ここをぶらしてしまうと、「目標」を立てた意味がなくなってしまいます。
たとえば、「試合に勝つこと」を目標としていたにも関わらず、「自分はホームランを打ったからOK」と評価してしまうと、目標の意味はなくなってしまいますよね?
評価の具体例を一部示しておきますので、この機に改めて自分の今の看護計画を振り返ってみてはいかがでしょうか♪
- ・「看護目標は達成できたのか」
- ・「なぜ達成できたのか、できなかったのか」
- ・「できたのならば、次は何をするのか」
- ・「できなかったのならば、次は何をするのか」
看護計画の評価の際に必ず意識すべきこと3選 まとめ
看護計画における評価は、総合的なアセスメントに基づいてたてた看護目標を達成できたかどうか、そして目標を達成するのに用いたケアが良かったかどうかを判断し、患者さんを次のSTEPに導くために非常に大切です。
中には、これが「仕事のすべてだ」という人もいるほどです。
「計画倒れ」の看護計画で終わらず、是非、十二分に活用していきましょう!
この記事はいかがでしたか? ・週一回なら、まぁ見てもいいかな♪ といった方は是非ご登録をお願いします!!
下記リンクからの無料会員登録で、 メルマガ受け取り@毎週土曜日 診療報酬改定まとめ資料受け取り などが可能になります!! (もちろん、わずらわしい情報は一切お送りしませんよ♪)
|
☆関連お役立ち情報☆ |
☆おすすめのまとめ記事☆ |
・【看護師スキルアップ術まとめ20選】3種の看護スキルでQOLを最大化! |
★ここまでで分からない用語はありませんでしたか? そんな方は・・・
関連する記事
『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 第3回:癌の三大治療法
癌の治療法としては、どういったものがあるのでしょうか? 今回は、「癌の三大治療法」について解説していきます。
イレギュラーな事態にも対応可能!愛知県内おすすめの24時間託児所3選!
子供の都合(幼稚園の行事や学校行事、急な発熱や体調不良など)で勤務先に迷惑がかかるのを恐れて、仕事につくことをためらっている方はいませんか?そんな方々にとって助けとなる愛知県内の24時間可能な託児所をご紹介させていただきます。
イブニングケアの目的とは? ~医療者側・利用者側の視点から考える~
イブニングケアの目的について、今回は医療者側・患者側それぞれの立場から少し深く考えてみましょう。
経口栄養とは~看護師なら完璧に知っておきたい看護知識~
人間は、口から食事を摂取(体に取り入れ)して、胃や腸といった消化管を通る過程で身体の中に吸収されることで、栄養を取り入れています。これを経口栄養・経口摂取と言います。今回は経口栄養についてご紹介します。