飲酒と発がんリスクの関係性とは〜お酒と正しく付き合うための5Rとは〜

 

昔から酒は百薬の長とされています。

酒の席はコミュニケーション場として活用され、リラックスでき、健康効果以外の有用性もありますよね。

楽しくてついつい飲みすぎてしまうこともあるのでは?

しかし、薬も過量となると命を脅かす毒になり得ます。

例えば発がんの危険性があると言われています。

正しい付き合い方を知るためにも、現在分かっているお酒の危険性をまとめました。

 

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酒と発ガン

画像出典:bulawayo24.com

 

お酒の危険性

 

酒を体内に摂取すると

 

酒の主成分はアルコールです。

そのアルコールは体内のアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに代謝されます。

その後、アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸へと代謝されます。

 

酒の変遷

画像出典:selfdoctor.net

 

酒の毒性

 

WHO(世界保健機関)は、アルコールそのものやその代謝物のアセトアルデヒドに毒性があり発がんのリスクを高めるとの評価を示しています。

飲酒が原因とされる癌は、口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、大腸、乳房など、さまざまです。

 

飲酒と発がんリスクに関する研究報告

 

飲酒と発がんの関係は複数の研究により指摘されています。

欧米の疫学研究にて、乳がんでは純アルコールで摂取量が10g増加する毎に7.1%リスクが増加、大腸がんでは純アルコール換算50gでリスクが通常の1.4倍増加するとされています。

厚生労働省のコホート研究では男性におけるがんの13%が300g/週以上の飲酒に起因するものとの報告があります。

また、日本の疫学研究では純アルコールにして46g/日以上の飲酒はがん全体の死亡率を高めているとの結果も示唆されました。

 

発がんリスクに男女の差はないの?

 

日本人女性に対してのリスクはデータが少ないため明らかになっていません。

しかし、体格や代謝機能を考慮すると、男性よりも少ない量の飲酒でもリスクは高まると予想されます。

以上からアルコールの摂取過剰は、発がんのリスクを高める危険性が明らかになっています。

 

では、いわゆる適量って?

 

では、どのくらいの飲酒量なら安全なのでしょうか?

答えから言うと、残念ながら発がんリスクが増加しない明確な安全量はありません

しかし、日本人男性を対象とした研究では20g/日程度の飲酒習慣が最も死亡率が低いと報告されています。

よって厚労省は、飲酒適量を純アルコール換算で20g/日程度としています。

以下が各酒類における純アルコール量の換算です。

 

酒と発ガン

画像出典:厚生労働省-健康日本21, (kenkounippon21)

 

酒は文化の一つでもあり、国も声高に絶対禁酒などとは述べていません。

健康と文化を大事にして楽しむことが大切なのです。

 

飲酒と発がんリスクの関係性〜まとめ〜

 

与薬の世界では、薬をきちんと使用するための標語として、5Rというものがあります。

これを飲酒に置き換えると

 

  • Right patient:正しい患者 → アルコールに弱い人は無理して飲まない
  • Right drug:正しい薬 → アルコール度数を考慮して
  • Right dose:正しい量 → 20g/日を目安に
  • Right time:正しい投与速度 → 一気飲みはしないように
  • Right route:正しい方法 → 強制せずに楽しい飲み方で

 

という風に言い換えることができます。

酒は適量を楽しく飲めばリラックス効果や血行促進作用もあり、薬のような効果も確かに期待できます。

酒を正しく用いれば百薬の長も健在となるでしょう。ぜひ、節度ある大人の嗜みとしてください。

 

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