「痛み」というとき、最も分かりやすいのは「針で刺されると痛い」「つねられると痛い」といった、身体的なものです。
しかし、痛みとは実に複合的なものです。
したがって、治療を効果的に行うためには、「痛み」について詳しく知る必要があります。
そこで、今回は看護において欠かせない「トータルペイン」という概念についてご説明していきます。
トータルペインを理解することで、あなたが理想とする看護がうっすら見えてくるかもしれません。
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・トータルペインとは
トータルペイン:4つの痛みの総称
トータルペインとは以下の4つの痛みの総称を指します。
1. 身体的苦痛
2. 社会的苦痛
3. 精神的苦痛
4. スピリチュアルペイン
画像出典:群馬大学医学部附属病院 緩和ケアセンター
治療を効果的に行うためには、特にトータルペインの考えが重要です。
まずは、それぞれの苦痛が関係し合っていることを理解しましょう。
同じ痛みでも不安や抑うつが 強ければ、痛みをより強く感じやすくなることが様々な研究で分かっています。
そのため心理面のサポートと身体的な痛みの治療を同時に行うことが大事なのです。
トータルペイン①:身体的苦痛
身体的苦痛とは:直接的な痛みのこと
身体的苦痛とは、だるさや息苦しさなどの直接的な痛みのことを指します。
看護師は患者さんの現状を正確に把握し、また今後起こりうる症状を予測し対応できるように準備をしなければなりません。
身体的苦痛への対応:患者さんの現状を把握し、発生する可能性のある症状を予測する
参考記事:看護師国家試験
身体的苦痛を和らげるためには上記で述べたように患者さんの現状を正確に把握することが大切です。
そのためにも普段からの患者さんとのコミュニケーションが非常に重要になってきます。
患者さんの体調の変化を敏感に感じ取り、病状の進行を予測できるようになりましょう。
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