トータルペイン②:社会的苦痛
社会的苦痛とは:経済的問題、環境の変化による問題から生じる痛みのこと
「社会的苦痛」とは経済的問題や、環境の変化による問題から生じた痛みのことを指します。
患者さんは入院にかかる費用や、入院したことによって変化する環境に対し苦痛を感じることがあります。
看護師はそうした変化に気付き対応することや、適切な情報を提供することが必要とされます。
経済面での対応:使える制度の整理と情報の提供をする
病気であることが診断された時に、病気のことはもちろんですが、治療にかかる費用について経済的不安を感じる方は多いです。
そんな時に看護師が行うべきこととはなんでしょうか?
それは患者さんに現状使える情報や制度を正確に伝えてあげることです。
以下はガンと診断された方が利用出来る制度などをまとめたものです。
利用出来る情報を把握し患者さんの不安を少しでも多く取り除いてあげましょう!
参考記事:看護の仕事はどこまで? 【がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー1】
環境の変化による問題への対応:患者さんの役職などを把握する
たとえば病気が進行して退職することになった場合にも使える制度を理解しておくことは非常に役に立ちます。
例えば公的年金を支払っていれば、老齢年金に加え、「障害年金」を用いて年金がもらうこともできます。
税金の医療費控除では医療費や通院の交通費の控除も受けられるなど、いろんな形で経済的な支えが得られます。
また、経済的に賄うことができない環境の変化にも対応できるようにしなければなりません。
例えば患者さんが母親の場合、入院した時に家事や、町内会の役員の仕事などについて心配になることがあります。
患者さんの立場や役職にも気を使いながらコミュニケーションを図り不安を和らげられるようにしましょう。
【PR】
看護師の転職を考えている方は
こちらがオススメです♪
関連する記事
看取りケアプランの書き方におけるポイント3選 ~トータルペインや家族への配慮の重要性~
看取りにおけるケアプラン(看護計画)は、対象の方がその人らしく残りの日々を過ごすための援助や、ご家族など身近な方たちが充実した時間を過ごすための計画を作成します。しかし、看取りのケアプランの作成は簡単なものではないようです。
看護師の人間関係を円滑に! 嫌だと思われない部下への指導フレーズ5選
看護師の仕事は妥協が許されず、後輩や新人に厳しく指導しなければならないこともしばしば。ただ、指導や注意をされる側は、良い気持ちではない上、叱る側も嫌だと思われたくないのは皆同じでしょう。ここでは、そんな後輩・新人(部下)への嫌だと思われないような注意フレーズ(指導法)を3パターンに分けて、5つご紹介します!
看護の仕事はどこまで? 【がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー1】
がんと暮らしを考える会の代表理事である賢見卓也さんインタビュー第1回。賢見さんは、一般通念からすると非常に広い看護観をお持ちの方。特に「社会的苦痛」に対する問題意識から様々なご活動を展開されています。そんな賢見さんからどのような教訓・知見が得られるのでしょうか? すべての「看護」に関わる皆様、必見の内容です!
困りごととキーワードが合致していないことの怖さ【がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー2】
がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー第2回です。第1回では、賢見さんがNPO法人で行っている「社会的苦痛」へのアプローチについて詳しく伺うことが出来ました。今回は賢見さんの「過去」を徐々に紐解いていく内容となっています。
【梅田恵先生インタビュー第3回】「日本のナースは世界一」
イギリスに行き「緩和ケアの影」とでもいうべきものを見破ろうとしていた梅田先生。そんな先生は、どのような経験を経てどのように心境が変わったのでしょうか。そして、イギリスとの比較して、日本の看護は先生にどう映るのでしょうか。