介護福祉士及び研修を受けた介護職員が出来る医療行為とは?
次に平成24年の法改正にて介護福祉士、研修済みの一般介護職員でも可能となった医療行為です。
こちらは五つです。
- 1. 口腔内の喀痰吸引(咽頭の手前まで)
2. 鼻腔内の喀痰吸引(咽頭の手前まで)
3. 気管カニューレ内部の喀痰吸引
4. 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養(胃ろう、腸ろうに異常がない)
5. 経鼻経管栄養(胃までの挿入が確認されていること)
でもちょっと待って! 安易に頼んでいませんか?
ここまで確認してきた行為は医師や看護師といった医療従事者でなくとも行える行為です。
上手に役割を分担することで医療従事者の負担減や業務の効率改善に繫がるかも知れません。
画像出典:media.licdn.com
医療行為でない行為を行う際の注意点
しかし平成17年「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」では注意として次のようなことが挙げられています。
- ・「これらの行為についても、高齢者介護や障害者介護の現場等において安全に行われるべきものである」こと
・「病状の急変が生じた場合 その他必要な場合は、医師、歯科医師又は看護職員に連絡を行う等の必要な措置を速やかに講じる必要がある」こと
・「必要に応じて、医師、歯科医師又は看護職員と、現在専門的な管理が必要な状態であるかどうかの確認がなされている」こと
・「実施者に対して一定の研修や訓練が行われることが望ましい」こと
また、平成24年の法改正では事業者ごとに都道府県に届け出をした上で、養成カリキュラムや研修を受けた職員に限って、医師の指示の下でのみ、可能とされています。
介護職員にもできる医療行為でない行為とは?! まとめ
医介連携、チームケアの為には介護職員との役割分担は重要です。
しかし、検温は出来ても結果からの判断は医療行為であり、服薬などには指示が必要です。
爪白癬のある方の爪切りは出来ませんし、内服薬は一包化されていなければ飲み合わせの判断が出来ず服薬の介助もできません。
研修として、看護師が手技について教える必要もあるかもしれません。
介護職員の業務範囲を正しく理解して連携することで、貴方の負担も減り、連携が効率化して、チームでの仕事も捗るはずです。
そんな風に一緒に助け合いつつ働ければ素晴らしいですよね!
参考資料
・厚生労働省 平成17年 「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の 解釈について」
・厚生労働省 平成24年「平成24年4月から、介護職員等による喀痰吸引等 年4月から、介護職員等による喀痰吸引等 (たんの吸引・経管栄養)についての制度がはじまります 」
この記事はいかがでしたか? ・週一回なら、まぁ見てもいいかな♪ といった方は是非ご登録をお願いします!!
下記リンクからの無料会員登録で、 メルマガ受け取り@毎週土曜日 診療報酬改定まとめ資料受け取り などが可能になります!! (もちろん、わずらわしい情報は一切お送りしませんよ♪)
|
☆関連お役立ち情報☆ |
・【体験談】認知症治療における看護上の注意点とは ex.不足の事態回避のための患者様との距離感調整 ・ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の日本での取り組みとは〜患者さん希望に沿ったケアを行なうことができていますか?〜 |
☆おすすめのまとめ記事☆ |
・【看護師スキルアップ術まとめ20選】3種の看護スキルでQOLを最大化! |
★ここまでで分からない用語はありませんでしたか? そんな方は・・・
関連する記事
【まごころ介護代表 榎本吉宏さんインタビュー第1回】利用者一人ひとりを見るために
訪問介護事業所「まごころ介護」を運営されている榎本吉宏さんにお話を伺いました。まごころ介護を支えてきた榎本さんが、どのような想いで訪問介護事業を展開されてきたのか、今後の医療・介護には何が必要なのかといった点に迫ります!
【まごころ介護代表 榎本吉宏さんインタビュー第2回】「危険を冒す権利」
長期に渡って訪問介護事業所を運営されてきた榎本さんは、どのようなご経験を経て現在へと至ったのでしょうか。本記事では、榎本さんの過去の経験を踏まえ、今後の展望までお聞きしました!
【K-WORKER 山上所長インタビュー第1回】全員車いすで仕事!?被介護者の〇〇に着目するワケ
「在宅×介護・福祉」の分野でご活躍されている山上智史さんのインタビュー第1回。山上さんは、株式会社K-WORKERの福祉用具貸与事業所長。山上さんの職場では、なんと「従業員全員が車いすを用いて業務をこなす」という取り組みを行っています!その真意や如何に・・・?
【K-WORKER 山上所長インタビュー第2回】よりよい選択と時間の有限性
K-WORKER山上智史所長インタビュー第2回です。今回は、山上さんの出自についてお話を伺い、奥底にある「仕事に対する姿勢」に迫りたいと思います。
【K-WORKER 山上所長インタビュー第3回】「病院と在宅の橋渡し」へ向けて
これまで、「まずは自分たちで使ってみて、理解する」/「デメリットを探してでもお伝えする」/「考えて即行動」といった、山上さんのいわば「仕事(人生)哲学」のようなものを紐解いてきました。最終回である今回は、そんな山上さんの「今後の展望」について伺います。