前回は、近年の行政の動きの中でも、「在宅療養支援診療所」を扱いました。
今回は、それよりも規模が大きくなります。
「在支診」は、今回ご説明する「地域包括ケアシステム」の”手段”にあたるといえるからです。
では、「地域包括ケアシステム」とは一体どんな構想・システムなのでしょうか?
以下、見ていきましょう!
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『在宅医療・ホスピスのイロハ』の目次
第6回 在宅医療・ホスピスに関する近年の行政の動き(2)
第8回 シリーズまとめ ~在宅医療・ホスピス業界に必要なこと~
「地域包括ケアシステム」とは? ~背景・概念~
現在進行形で進む「在宅医療・ホスピス」に関する行政プロジェクトの中でも、最も重要なものの一つに、「地域包括ケアシステム」があります。
ここでは、その概念および具体的な中身について見ていきましょう。
地域包括ケアシステム構想の背景
本シリーズ第1回で見たように、高齢化の進展や地域資源に大きな地域差がある中、市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて「ご当地ケア」をつくり上げていくことは非常に重要で、「地域の力」が再び問われていると言えます。
これは、平成24年11月から平成25年8月にかけて行われた「社会保障制度改革国民会議」の報告書が、地域包括ケアシステムの構築を「21 世紀型のコミュニティの再生」と位置づけたことからも伺えます。
こうした地域による医療を推進するべく、地域包括ケアシステムという概念は誕生しました。
地域包括ケアシステム構想の概念説明
地域包括ケアシステムとは、「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために医療や介護のみならず、福祉サービスも含めた様々な生活サービスが日常生活の場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制」(※1)のことです。
(※1)三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング『<地域包括ケア研究会>地域包括ケアシステムの構築における今後の検討のための論点』(平成 25 年 3 月)
つまり、「地域の実情に応じて、高齢者が可能な限り住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制」のことをいいます。
地域包括ケアシステムの考え方としては、下図のように、「本人・家族の選択と心構え」を基盤に「すまいとすまい方」がまずあり、その上でしっかりとした「生活支援・福祉サービス」に基づいて「医療・看護」、「介護・リハビリテーション」、「保健・予防」が提供されるといったすがたが想定されています。(参考:厚労省資料)
画像出典:mhlw.go.jp
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