看護師として経験を積む中で、ステップアップとして考えるのが「資格の取得」です。
看護師が取得できる資格には様々なものがありますが、「認定看護管理者」という資格を皆さんはご存知でしょうか?
日本看護協会が定めるこの「認定看護管理者」という資格は、
管理者として優れた資質を持ち、創造的に組織を発展させることができる能力を有すると認められた、いわば「看護管理のスペシャリスト」
としての資格です。
今回は「認定看護管理者」についてまとめてみたいと思います。
画像出典:uhhospitals.org
認定看護管理者とは
認定看護管理者 目的
日本看護協会はこう定義しています。
認定看護管理者制度の目的は、多様なヘルスケアニーズを持つ個人、家族及び地域住民に対して、質の高い組織的看護サービスを提供することを目指し、看護感謝の資質と看護の水準の維持及び向上に寄与することにより、保健医療福祉に貢献すること
各専門分野の中での「認定看護師制度」と同様に、日本看護協会が定めた「管理者」の「スペシャリスト」としての認定資格が「認定看護管理者」なのです。
では認定看護管理者とは実際にどのようなことをするのでしょうか?
認定看護管理者 業務内容
患者・家族や地域住民に対しより質の高いサービスを提供できるよう、自身が管理する組織の 課題を明らかにし、組織内の様々な部署や人に働きかけて、組織全体のサービス提供体制の 向上に取り組みます。
また、地域の組織間の連携を図るなど、地域全体の医療・看護の質の向上 に努めます。
具体的には下記のような業務を行います。
・保健、医療、福祉の政策等に関する知識や組織管理に必要な理論、経営的な視点等を用いて自身 の管理する組織を分析し、サービスの質を向上するための方策を検討、実行
・看護師が知識と技術を身につけ看護の質を向上できるよう、教育体制を整え人材育成を推進し、 質の高いサービスを効率よく提供できるような職員の資質を活かした配置
・労働環境の整備やワークライフバランスの推進など、看護師が継続して働きやすい職場環境整理
・医療事故を防ぎ、安全な医療・看護を提供するための教育や体制の構築を行い、組織としての安全管理
画像出典:chron.com
認定看護管理者 取得看護師数
日本看護協会が認定する「認定資格」では、看護師としての臨床経験が5年以上、各専門分野での経験が3年以上必要となります。
「認定看護管理者」はこれらに加えてさらに専門的な経験や資格が必要となるため、その門は非常に狭いと言えます。
「認定看護管理者」は2014年時点で2,362人が登録されています。
2014年時点の就業看護師数は108万6779人ですので、その登録者数の少ないことがよく分かります。
2016年10月時点では2983人となっています。
関連する記事
CNS(専門看護師)とは? ~役割、認定看護師との違い、なるための方法を概説~
CNSという言葉を聞いたことがあるでしょうか。CNSとは、「専門看護師」を意味します。日本にはCNS看護師の分野が多くあり、資格取得に奮闘している人も多くいます。資格取得すれば大きなキャリアアップにつながるでしょう。今回はCNS、専門看護師について着目していきます。
認定看護師、専門看護師になることのメリット5選
専門看護師と認定看護師は、専門領域の勉強をして資格を取るのですから、キャリアアップの面で大きな利点があります。では、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか? 本記事では、両者の資格を取得することで得られるメリットを5つにまとめてご紹介します!
看護師の人間関係を円滑に! 嫌だと思われない部下への指導フレーズ5選
看護師の仕事は妥協が許されず、後輩や新人に厳しく指導しなければならないこともしばしば。ただ、指導や注意をされる側は、良い気持ちではない上、叱る側も嫌だと思われたくないのは皆同じでしょう。ここでは、そんな後輩・新人(部下)への嫌だと思われないような注意フレーズ(指導法)を3パターンに分けて、5つご紹介します!
【梅田恵先生インタビュー第3回】「日本のナースは世界一」
イギリスに行き「緩和ケアの影」とでもいうべきものを見破ろうとしていた梅田先生。そんな先生は、どのような経験を経てどのように心境が変わったのでしょうか。そして、イギリスとの比較して、日本の看護は先生にどう映るのでしょうか。
【梅田恵先生インタビュー第4回】「看護師は、自分の幸せも大事に」
梅田先生インタビューシリーズ最終回となる今回は、緩和ケアの現状や今後の緩和ケア、そして現役のナースの皆様へのメッセージをご紹介します。特に、日本の緩和ケア黎明期における梅田先生の体験談はインタビュワーであることを忘れてしまうほどで、最終回の今回も見所満載です!