口腔ケアとは、ただ歯磨きをすることだと思っていませんか?
実は口腔ケアは、非常に奥が深いのです。
口腔ケアとはどんなものなのか、どのような工夫ができるのか、物品なども含めてご紹介させていただきます!
画像出典:ncoa.org
口腔ケアってどんなもの?
「口腔ケア」とは、「お口の手入れ」のことです。
食事介助や、移動・移乗介助などのように日々行なう介助として重要なケアです。
また、口腔ケアが誤嚥性肺炎予防への顕著な効果が、様々な研究により明らかになったことにより、今後より重要視されてくるケアです。
高齢者・要介護者の口腔状態は、どうなっているの?
高齢者や、脳血管疾患(脳梗塞や脳出血)による寝たきり状態の人の口腔内は、どのような状態になっているでしょうか?
口腔ケアの方法の前に、まずここから始めてみましょう。
<口腔内は、どんな状態?>
- ・義歯の使用
→義歯とのスキマにたくさんの食物残渣や汚れがある。 - ・乾燥している
→加齢によって、唾液が分泌されないため。 - ・食物残渣が残っている
→麻痺のある場合特に、麻痺側の頬に残りやすい。 - ・舌が汚れている
→唾液の減少による自浄作用低下と、自身でケアできないため。 - ・口臭がする
→唾液の減少による自浄作用低下と、自身でケアできないため。
口腔ケアを行う目的は?
上記で示したような状態を放置すると更に口腔内の環境は悪化し、虫歯や歯周病、更に肺炎や食欲低下といった、口腔ケアと無縁と思われるようなことにまで発展します。
これを予防するために行うことを、「器質的口腔ケア」と言います。
また、口腔ケアには別の意味の口腔ケアがあります。
「機能的口腔ケア」と呼ばれ、病気の予防ではなく、摂食・嚥下障害予防、更には認知症の予防になると言われており、注目を浴びています。
代表的なものとしては、唾液腺のマッサージ・舌体操・顔面体操があります。
画像出典:softtouchdental.com
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