知っておくべき（最近の）エンゼルケアのポイント〜エバーミングという新たな考えが広まってきています〜

エバーミングって知ってますか？

エンバーミングとは

海外においては死後の処置について、エバーミングという方法がとられている場合があります。

エバーミングとはご遺体を殺菌、消毒、防腐処理をおこない、必要に応じて状態を修復することです。

まだ土葬が多いアメリカでは実に90％以上がこのエバーミングが行われているといわれています。

日本国内では数日中に火葬にてご遺体を処理する場合が多く、エバーミングの必要性は低いといわれていますが、防腐処理をおこなうことにより、

●死後硬直を防ぐ
●青白く変化する顔や身体を生前と同じ様な血色のある状態に維持する
●痩せた状態を戻す
●ご遺体に傷や損傷がある場合については、できる限り生前の状態に戻すことができる

日本国内においてもその需要は増加してきているといわれています。

エバーミングでは全身の殺菌、消毒を行い、全身の血液を防腐剤と入れ替えます。

腹腔内の体液なども吸引し、防腐処理がされます。

エバーミングにより１週間から10日程度は、ドライアイスなどの冷却処理をしなくても、ご遺体の状態を維持できるといわれています。

大掛かりな工程が必要となるため、誰でもおこなえるものではありません。

海外ではエンバーマーと呼ばれるエバーミング専門の技術資格が存在します。

日本におけるエバーミング

日本国内においては、日本遺体保全協会（IFSA）という協会認定の技術者により実施されています。

ご遺体に手を加えるということは、「死体損壊」という面で問題になるのではと、国内においても様々な議論、裁判がおこなわれてきました。

1994年に実際にエバーミングが死体損壊罪にあたるのではないかという告発がおこなわれましたが、死体損壊罪ではないという判断から告発は受理されず、エバーミングが死体損壊罪にあたらないと認められました。

しかし日本においてはこのエバーミングに関する法律は存在せず、現状としては日本遺体保全協会などの基準や指導のもと、適正におこなわれているのであれば問題ないということになっています。

このエバーミングはエンゼルケアの目的と同様に、感染予防対策としても大きな効果があります。

今後、よりご遺体を生前の状態に戻し、お見送りしたいという思いや意向がますます強くなれば、エバーミングも今まで以上に普及するかもしれません。

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エンゼルケアのポイント〜まとめ〜

患者さんを最期にふさわしい状態に整えることが「エンゼルケア」です。

その役割には感染予防対策も含まれますが、やはり最も重要なのは、家族や遺族の意向です。

様々なサービスが普及していく中で、従来の「エンゼルケア」はその必要性や目的、手順などに変化が出てきているのが現状ではありますが、全てを葬祭業者などに任せるのではなく、やはり患者さんの最期に関わった看護師だからこそ、患者さんのご冥福をお祈りしながらおこなう最後の看護、「エンゼルケア」は必要ではないでしょうか。

より良い状態で医療機関から退院してもらう。

そんな思いは看護師なら誰でも持っているものです。

変化していく「エンゼルケア」について、色々な変化はあるかと思いますが、きちんと家族やご遺族の希望や意向を確認し、実施することが最も大切なことです。

エンゼルケアについて今一度考えてみてはいかがでしょうか？

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