強みシリーズ その1 「みつける」

熊倉 百音子 Tomoko Kumakura

%e7%86%8a%e5%80%89%e6%b0%8f%e5%86%99%e7%9c%9f

【プロフィール】

東京生まれ  ㈱クオリティ・アンド・バリュー 代表取締役

コミュニケーションインストラクター、NLPマスタープラクティショナー、ドイツ・ポジティブ心理学マスタープラクティショナー、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修士課程修了(Master of Business Administration in Social Design Studies)

立教大学社会デザイン研究所 研究員

著書: 「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむデンタルコミュニケーションメソッド」(医歯薬出版社・共著)

 

◆ わたし、声かけられやすいんです

 街を歩いていると、わりと声をかけられることが多いような気がします。

いやいや、ナンパじゃないですよ。道を聞かれたり、「これ美味しいよ」とお店でおススメされたり、バス待ちの時には「遅いですね~」と話しかけられる。きっと話しかけても大丈夫そうな雰囲気があるのでしょうね。

これ、わたしの「強み」なんです。

 

さて、今日は「強み」についてのお話です。

あなたは自分の「強み」は何かと聞かれたら、何と答えますか?

 

「そんなの考えたことない」

「わたしにはそんなものない」

「弱みばっかりなんです」

 

そう答える人がほとんどです。

これまでの経験上、この質問をしてズバリ!と答えられた人はあまりいません。

これには訳があります。

私たち日本人は『謙遜』という遜りの文化があるんですね。

えっへん、どうだ!と自信満々の自己アピールよりも、「わたしなんて大したことないんです」と一歩引いた方が好ましいと子供の頃からしつけられています。

そして、どちらかというと「強み」をどう伸ばすかではなく、「弱み」をどう補うか、ということに意識が向きがち、いわゆる「苦手克服」ってやつです。

けれども。

出来ないことや苦手なこと、すなわちマイナスの部分を頑張ってプラスにするよりも、もともとプラスである「強み」をさらに伸ばす方が成功や満足に繋がりやすい、のです。

 

 強みとは無意識に繰り返される思考・感情・行動のパターン

 では、「強み」ってなんでしょうか。

得意なこと、長所、才能・・・・多くの言い換えが出来そうです。

少し難しい言い方をすると、その人に備わった「本質的な特性」、そして「無意識に繰り返される思考・感情・行動のパターン」と言えます。

努力して出来るようになったもの、というよりは、子どもの頃から「○○ちゃんはこれがうまいね」と言われてきたようなもの。つまり自分の資質に根差したものというイメージです。

 

冒頭の「話しかけやすさ」を思い出してください。

懸命にトレーニングをして身に着けた「プレゼン上手」や「車の運転がうまい」といった能力レベルの特徴ではなく、その人から滲み出る人格の匂いのようなもの、

その特徴が「強み」であると考えられています。

 

 「強み」をあなたのライフスタイルに取りこんだら・・・

 「強み(strength)」はポジティブ心理学の研究分野の主要テーマです。

ポジティブ心理学は比較的新しい心理学分野で、成功や幸福になるための心理学とも言われています。従来の心理学の研究分野が精神疾患の治療を目的にしていたのとは対照的に、健常な人がさらに良い人生を歩んでいくための行動や心理について研究がテーマです。

人生がうまくいっている人の多くは本質的に自分の「強み」の上にライフスタイルやキャリアプランを築くという研究結果もあります。

 

自分の「強み」を仕事や生活の中に取り入れることは、

 

・ 自信や自尊心が高まる

・ 目標を達成しやすくなる

・ 幸福感や充足感を感じやすくなります。

・ ストレスを感じにくい

・ 楽観性やレジリエンス(回復力)が生まれる

・ 生命力やエネルギーが高まる

 

など良いことがたくさんあります。

自分の「強み」に注目しないなんて、もったいないですよね。

  

 あなたの強みは知る5つの質問

 これまでの自分を振り返ってみて、下の5つの質問を考えてみて下さい。

 

1. 人からどんな人だと言われてきましたか?

 

2. 人から褒められたことや得意なことはどんなことでしたか?

 

3. あなたをわくわくさせることはどんなことですか?

  

4. これまでに一生懸命に取り組んできたことはどんなことですか?

 

5. 誇りに思うことはなんですか?

 

もしも、「考えたことない」「わからないと」思ったら、あなたをよく知っている、親しい人にきいてもいいですね。

子供のころの自分を紐解いてみる、というのも有効です。親などの周りの大人に「どんな子だった?」と聞いてみるとわかります。また、大人になってからの自分を知るには、信頼できる上司や友人に率直に聞いてみても面白いと思います。

会社であれば、何人かのチームになり、お互いに「強み」を見つけ合う、「強み」で繋がるチームビルディングのワークショップなどをやってみてもいいですね。

 

 「強み」で繋がるチームに

 職場や親しい友人の間で「強み」の話をするということは、互いを肯定的な視点で見て伝えあう貴重な経験となります。あなたのここがいいね、と言われれば誰でも嬉しいものです。出来れば雑談をしながら、『気楽に、でも真面目に』やってみると、自分にも、相手にもこれまで知らなかった自分に出会えることとなり、新しい絆が生まれます。「強みで繋がるチーム」は場のエネルギーが上がり、関係性が良好になります。

 

2020年は新型コロナウィルスの世界的大感染が拡がり、未だに収束していません。経済的・社会的な打撃も大きく、人々は不安と疑心暗鬼に苛まれています。

しかしながらこんな時こそ、不安に飲み込まれることなく、冷静にものごとを見分ける目と心を持つことが出来れば、道は拓けてくると信じています。

 

関連する記事


「こころの立ち直り力=レジリエンス」の鍛え方

コロナ禍でストレスが加速している昨今、厳しい状況の中でもポッキリ折れずに復活する心の力である”レジリエンス”について、ポジティブ心理学の観点から具体的にどのような方法をとればレジリエンスを自ら獲得できるのか、熊倉 百音子氏に執筆いただきました。

【体験談】訪問看護ならではの悩みあるある5選

訪問看護の場合は、病院勤務の悩みとは少し違いがあります。私自身の体験(もしくは周りから聞いた話)に基づいて、訪問看護師が抱えるあるあるな悩みを5つまとめてみました!