グリーフケアで注意すべきポイント3つ ~たとえば、「気を落とさずに」と声をかけていませんか?~

 

訪問看護が注目を浴びている今「グリーフケア」はより大切なケアになってきています。

大切な患者さんを看取らなければいけない機会は増えるものの、そのケアについてはなかなか学び辛いように感じます。

現在、グリーフケアについて学ぶためには、大学等で講義を受けたり、認定資格にチャレンジする方法があります。

しかし、「なかなか時間がとれない」という方も多いと思います。

そこで、グリーフケアにおいて最低限注意しなければならないポイントを3つ挙げてみます。

グリーフケアについて詳しく知りたい方はこちらへ

 

グリーフケア

画像出典:consultqd.clevelandclinic.org

 

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グリーフケアにおいて注意するポイントその1.悲しみを否定しない

 

過度な励ましや勇気づけはしない

 

グリーフワークでは、今そのときの悲しみを受け入れていくことが大切です。

つい「気を落とさずに」「前を向いていきましょう」「泣かないで」などと声をかけてしまいがちですが、それらの言葉には、悲しむことを抑制してしまうような意味が含まれてしまいます。

本来の感情を抑制することは、グリーフワークを進みづらくしてしまいますので「泣いていいよ」「つらいね」など、悲しみをあたりまえとして受け入れられる言葉が望ましいでしょう。

 

「泣く」などの感情表現を認める

 

グリーフケアでは、感情を表現していくことが望ましいとされています。

我慢する、抑制するではなく、故人について話したり、自身の悲しみを表現できるような環境をつくったり、「対話」を行っていきましょう。

※「対話」については、田村恵子先生も現在研究を深めているそうです(ご興味がある方はこちらの記事をご参照ください:【田村恵子京大教授インタビュー1】ホスピス先駆者のイマ語り ~京大教授と対話とヒトデ~

 

「Grief Care nurse」の画像検索結果

画像出典:medscape.com

 

グリーフケアにおいて注意するポイントその2.身体に影響の強いものに依存をしないようにする

 

アルコールや精神安定剤に依存しすぎていないかを把握する

 

アルコールは一時的ではありますが、気持ちを安定させたり、悲しみを緩和させたりします。

また精神安定剤も薬であるため、大きな効果が見込まれます。

しかしながら、グリーフワークにおいては、感情を抑えるのではなく、悲しみそのままを認めて表現していくことが大切になります。

アルコール摂取が過度になれば、グリーフケアが進まないばかりか依存症に繋がらないとはいえません。

精神安定剤についても、きちんと医療機関に通院をし、医師の処方どおりに服用できていればいいのですが、自己判断で服用している場合があり、効果的とはいえない場合があります。

 

周囲が適切な機関を勧めるあるいは、一緒に受診することも大切

 

当事者では判断できない状況に陥っていることも多いため、ケアを行う立場の人間が適切な医療機関や、心理士などの専門家を紹介するなど外部と繋いでいくことが必要になると考えられます。

また、時には同行するなど、本人が一人で抱え込まないようきっかけを作ることが大切です。

 

「Grief Care nurse」の画像検索結果

画像出典:dying.lovetoknow.com

 

▶ 次ページへ:グリーフケアにおいて注意するポイントその3とは?

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