日本においては「ターミナルケア」と「緩和ケア」はおおむね同じ意味として使われていますが、細かなことを言うと、ターミナルケアと緩和ケアは似ているようで少し違います。
看護師も、患者さんや家族の疑問に答えることが多い立場ですから知識として知っておきましょう。
今回はターミナルケアと緩和ケアの違いについてお伝えします。
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ターミナルケアとは
医学的に治る見込みがなく遺された時間がわずかであると想定された人に対して、積極的な治療や延命治療を行うのではなく、身体的・精神的苦痛を少しでも取り除きながら本人らしく最期を迎えるためのケアや看護が行われることです。
たとえば、ガンや神経性などの進行性疾患の末期の場合や、認知症の末期、加齢による機能低下などが考えられます。
対象となる方の人生や生活の質(QOL)を最大限に保ちながら、その瞬間を迎えることを援助していくことになるでしょう。
緩和ケアとは
「緩和ケア」は、現状では主にがん患者の治療に対して用いられています。
ターミナルケア、すなわち最期を見据えたケアとは異なり、たとえ癌の初期の治療であっても、薬の副作用の苦痛を緩和することも緩和ケアにあたります。
またADL(生活動作)困難により、食事や排せつ、清潔といった生活の困難さがある場合に、どのように工夫したら無理せず暮らせるようになるかを考えていく場合もあります。
そのほか、気持ちの落ち込みなど精神的な訴えについてもケアを行っていきます。
※ADLについて復習したい方はコチラの記事へ:ADLとは 〜高齢者の生活機能の尺度を示すための共通の言葉です〜
緩和ケア病棟を設置している病院などがありますが、医師や看護師だけではなく、薬剤師や、栄養士、リハビリ各療法士、カウンセラー等の様々な職種が関わりながら、患者本人や家族の要望を取り入れてケアを行っていきます。
たとえば、食事の工夫や、疲労感の予防、精神的なケアなどが考えられます。
なお、緩和ケアは入院せず外来で利用することもありますし、訪問介護サービスを利用して在宅で緩和ケアを受ける場合もあります。
☆より具体的に緩和ケアについて知りたい方は、「『ホスピス緩和ケアと癌(ガン)の基礎知識』 」というシリーズ記事がおすすめです!
★緩和ケアに関する2016年度の診療報酬改定をまとめた資料は<こちら>(非会員向け)になります。
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