【介護保険の基礎】3つの介護保険施設とその関連事項について

 

介護保険施設とは、「介護保険を利用して入居できる施設」のことです。

介護保険サービスを提供する施設は色々なものがありますが、介護保険施設とは、民間が運営する施設ではなく、公的機関が運営する公的介護施設であるということが特徴です。

本記事では、介護保険施設の関連事項についてみていきます!

※下記、参考記事:みんなの介護「介護保険まるわかり

 

介護保険3施設

画像出典:社会保障審議会介護保険部会「施設サービス等について」(平成25年6月6日)

 

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介護保険施設の種類

 

介護保険施設には「特別養護老人ホーム」、「介護老人保健施設」、「介護療養型医療施設」の3つの種類があります。

この3つの介護保険施設ですが、それぞれに設置根拠、利用対象者などに違いがあります。

 

特別養護老人ホーム

 

特別養護老人ホームは、老人福祉法に基づき、認可された特別養護老人ホームです。

対象となるのは、常時介護が必要で在宅での生活が困難な要介護者

仮に医療的な処置などが必要な場合は、医療保険を利用することになります。

 

2015年以降、特別養護老人ホームに入所要件が要介護3以上となっていますが、介護度が高い人が優先されるため、要介護3では入所は非常に困難といえるでしょう。

2012年時点で、特別養護老人ホームは全国には約7,552施設、49万8,700人の利用者数となっています。

※引用元:社会保障審議会介護保険部会「施設サービス等について」(平成25年6月6日)

 

特別養護老人ホームは年々増加しているといわれていますが、入居を希望する人も増えており、2014年では約50万人が入所待機している状況になっているといわれています。

 

特別養護老人ホーム

画像出典:厚生労働省(老健局)の取組について

 

介護老人保健施設

 

介護保険法に基づき開設を許可された施設です。

在宅復帰を目的とした施設で、病状が安定期にあり、入院の必要はないが、リハビリテーションや看護・介護を必要とする要介護者が対象となります

施設療養上、必要な医療の提供は介護保険を利用します。

介護老人保健施設には医師が常在しており、特別養護老人ホームと比べても、より医療面やリハビリテーションに対応が可能な施設となっています。

2013年時点で、介護老人保健施設は全国には約3993施設、35万7246人の定員となっています。

 

介護保険サービス

画像出典:厚生労働省(老健局)の取組について

 

介護療養型医療施設

 

医療法に基づき許可された病院または診療所の療養型病床群と指定された施設です。

病状は安定しているが、常時医療管理が必要な要介助者が対象となります。

施設療養に際する日常的な医療提供が介護保険を利用します。

たとえばカテーテルを留置しているなどの要介護者にも対応しており、介護老人保健施設よりもさらに医療ケア面が充実している施設といえるでしょう。

 

3つの介護保険施設の中でも、最も重介護の高齢者を受け入れているのは、この介護療養型医療施設といわれています

2013年時点で、介護療養型医療施設は全国には約1647施設、7万1891人の定員となっています。

2011年の厚労省の統計によると、各施設の要介護度は、特別養護老人ホームで3.89、介護老人保健施設で3.31、介護療養型医療施設では4.41となっています。

介護療養型医療施設では要介護5の入居者が半数以上となっており、介護度の高い要介助者が最も多くなっています。

※要介護認定については「要介護認定とは ~5段階に分けられた、介護の必要度の決定指標~」を参照のこと

画像出典:iikai5.com

 

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