認知症。
それは現代において、もはや誰もが知っている病気でしょう。
実は、認知症になる原因は、脳の病変など身体的な疾患を含めると、実に100種類以上もあるといわれています。
早期診断を受けてそれぞれに適した治療を開始すれば、治療効果も上がってきます。
しかし、認知症は病識が大きく欠如し病院と上手くつながらないケースも多々あるため、そこを見極める必要性が出てきます。
今回は、100種類以上あるとも言われる認知症の中から最も多い3大認知症について、原因やその特徴について見ていきたいと思います。
【三大認知症その.1】アルツハイマー型認知症とは
我が国では60%以上を占めるアルツハイマー型認知症。
しかし、残念ながら現在の医学では特効薬の開発には未だ至っておりません。
症状の進行を食い止める薬剤で、多くの罹患者を救っています。
人体のメカニズム
アルツハイマー型認知症は、脳の変性が「海馬」や「海馬傍回」などから始まるため、疾患の初期から記憶障害が顕著に出現してきます。
脳に存在するタンパク質が少しずつ蓄積されて、やがて神経細胞が破壊されます。
正常な神経細胞が減少してしまうと脳も萎縮してきます。
脳の変性が拡大してくると、破壊された部位によって、視覚障害や言語障害などの認知機能障害がみられるようになっていくのです。
各病期の臨床的特徴
①軽度のアルツハイマー型認知症
- ・時間の見当識障害
- ・物を置いた場所が分からない
- ・服薬手順が分からない
②中等度のアルツハイマー型認知症
- ・場所の見当識障害
- ・一人で買い物ができない
- ・清潔にやや無頓着になる
- ・車の運転ができなくなる
- ・感情障害や睡眠障害が出現する
③高度のアルツハイマー型認知症
- ・人物の見当識障害
- ・尿、便の失禁
- ・不衛生状態となり常時介護を要する
- ・意味不明な言葉を発しコンタクトがとれない
- ・あらゆる身体機能が低下する
画像出典:dd04.diaadia.com.pa
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